川崎病は医療従事者の子供に多いか
ーアナフィラクトイド紫斑病、EBウイルス感染症との比較ー
山口大学小児科1、周東総合病院小児科2、徳山中央病院小児科3、 済生会山口総合病院小児科4、
長門総合病院小児科5、小野田市立病院小児科6、国立下関病院小児科7
○藤原元紀1、松原知代1、近藤穂積2、川崎浩三2、内田正志3、三戸博志4、青木宜治5、
高橋寛彦6、平岡興三7、古川 漸1 |
| 川崎病 (KD) 患児の親が医療従事者であることをしばしば経験する。そこでKD患児の両親の医療従事者の頻度を診療録を元に後方視的に検討した。対象は1988年4月から1998年3月までの10年間に山口県内7施設にて診断加療されたKD315人
(男189人、女126人、平均年齢2.1歳) で、同期間内の同施設に診断加療されたアナフィラクトイド紫斑病 (AP) 96人
(男46人、女50人、平均年齢6.5歳)を血管炎対照に、EBウイルス感染症 (EB) 73人 (男46人、女27人、平均年齢3.4歳)
を感染症対照とした。なお診療録に親の職業の記載のないものは除外した。KD315人中、父親または母親が医療従事者である患児は32人
(10.2%)だった。対照疾患であるAP96人中、父親または母親が医療従事者である患児は3人 (3.1%)、EB73人中、父親または母親が医療従事者である患児は8人
(11.0%) だった。KDはAPよりも親が医療従事者である頻度が高く (Fisher's exact test:p=0.035)、
EBとは有意差がなかった。感染症の曝露の機会の多い医療従事者が、KDの原因となる何らかの病原体のキャリアとなっていることを示唆する所見だった。
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ほぼ同時期に川崎病を発症した一卵性双生児例
国立嬉野病院小児科 ○深堀 一成 角 至一郎
今村小児科 今村 甲
長崎大学医学部小児科 宮副 初司 大塚 祐一
森内 浩幸 |
ほぼ同時期に川崎病(KD)を発症し、ガンマグロブリン静注(IVGG)を同様に行ったが、異なる反応をみせた一卵性双生児例を経験したので報告する。
[症例] 1才2カ月の一卵性双生児。兄は平成12年2月4日、発熱にて発 症した。第4病日にKDの主要症状5/6を認め、当科入院となった。弟は2月
11日より発熱にて発症し、第3病日にKDの主要症状5/6を認め、当科入院と なった。 [兄・入院後経過] 第4病日、原田のスコア4/9をにて、
IVGG 400mg/kg/day×5daysの投与を開始した。第8病日に解熱し、第11病日にはCRP<0.2mg/dl (入院時6.3mg/dl)と炎症所見も改善した。冠動脈はRCAで最大3.1mmと拡張したが、以後退縮し、冠動脈瘤の形成はみ られなかった。
[弟・入院後経過] 第3病日、IVGG 400mg/kg/day×5daysの投与を開始した。5日間のIVCGが終了した第7病日において、原田のスコア4/7、発熱持続、頸部リンパ節腫脹、手掌紅斑、眼球結膜充血の残存及び、CRP
16.6mg/dl (入院時9.6mg/dl)と炎症反応の持続を認めたため、 IVGGの追加投与を行った。第10病日に解熱し、第13病日にはCRP
0.9mg/dlと炎症所見も軽減した。冠動脈障害はみられなかった。
[考察] KDではHLAの関与も病因の一つとして示唆されている。この症例では一卵性双生児でHLAが同じである一方、Streptococcus
pyogenesの流行、ほぼ同時期発症という点から、病因として感染性因子の関与が考えられた。また、この症例において、IVCGに対する反応の差は、HLAなどの個体因子よりも感染性因子などの外因子の影響により生じた可能性が示唆された。
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r-globulin投与にも拘わらず3年間で3回川崎病に罹患した
1男児例---過去の報告例との比較検討
国立国際医療センタ-、小児科 ○粂川好男、岡崎健一、細川真一、山中ひかる、早川依里子、
関口典子、宮澤広文、松下竹次、倉辻忠俊 |
| 生来健康な2才9ヶ月の女児。40度台の発熱出現し、川崎病の診断のもと他院にて入院治療行った。第5病日よりγーglobulin、400mg/kg/day、アスピリン50mg/kg/day内服にて治療開始した。第7病日よりウリナスタチン5000単位/kg/回、1日6回を開始。第9病日の心エコー上左冠動脈主幹部に径3.5mmの動脈瘤形成を認め、同日よりγーglobulin、1g/kg/day、2日間投与した。微熱続き、心エコー上冠動脈瘤徐々に増大し、また第16病日再度39度台の発熱認めCRPの再上昇認めたためγーglobulin、1g/kg/day使用した。37度台の発熱続き、CRP陰性化せず、心エコー上さらに冠動脈瘤拡大傾向認めたため、第29病日当院へ転院した。転院後も微熱、炎症所見続き第36病日からγーglobulin、1g/kg/day、2日間投与行った。γーglobulin投与後は一時的に解熱し炎症所見改善するものの、再び微熱、CRP再上昇を来すためアスピリンからフロベン5mg/kg/dayに変更したところ、以降速やかに解熱、CRPは陰性化し、第81病日退院となった。本症例は治療抵抗性の川崎病であるが、アスピリン投与からフロベン投与に変えて経過が良好となった症例である。我々が検索した限りでは本症例のような例は過去に報告がなく、治療抵抗性の川崎病に考慮すべき治療法と考えられる。若干の文献的考察をふまえて報告する。
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