名古屋市川崎病検診18年の推移と現状
社会保険中京病院小児循環器科 ○松島正氣 大橋直樹
沼口敦 小島奈美子、愛知県衛生部 長嶋正實、名古屋市学校医会
 学校検診の中で川崎病既往者に対する検診は重要な位置を占めています。1983年から始めた名古屋市の川崎病検診の推移と現状について報告します。  対象は当初は小学1年のみでしたが、1987年より中学1年・高校1年にまで拡げています。既往者率は当初0,3%でしたが漸増し、0,6%以上には小1が1987年より、中1は1993年より、高1は1996年よりなり、最近は0,61-0,79%とほぼ一定になっています。
 三次検診受診者は当初は原則として受診としたため72-84%でしたが、検診を受けている者を除外した1987年より減少し、最近は13-29%になって主治医の診断書による管理が多くなって来ています。検診までに心エコーを受けた率も漸増し1995年以降は95%以上が急性期も受けている状況になっています。
 冠動脈障害の主治医管理も含めた把握率は1,3-9,2%ですが、検診で新たに発見することは、1989年までは毎年1ー6例の計23例発見でしたが、1990年より減少し1995年までで5例、以後は1例も見つかっていません。大部分の例が主治医により管理されているものと思われました。
 検診で発見された冠動脈障害を合併しているもののその後の検診状況をみると把握できた15例中10例が中断になっており、多くが高校入学または卒業を契機に中断になっていました。循環器科への移行も含め自主性のでる高校以後の定期検診のあり方の検討が必要であると思われました。
川崎病の入院治療期間の検討
名古屋第二赤十字病院小児科
○福田 革  永井琢人  横山岳彦  岩佐充二  安藤恒三郎
<目的>当院での川崎病治療は、発熱・岩佐のリスクスコア・エコー所見に基づきグロブリンの投与を決めている。今回至適入院期間について検討した。
<対象と方法>1992.11.20〜1999.12.31に入院した急性期定型例のうち、他院初期治療例等を除いた276例につき検討した。グロブリン投与法は1994.6.30以前の初回投与量1g/kgと以後2g/kgで、追加投与を積極的に1996.9.1以後行っている。退院基準は原則として解熱しCRPが陰性化してからあるいは入院期間が長期化する場合CRPが1mg/dl前後でも退院可としている。
<結果>
1)発熱期間の短縮に伴い入院期間も短くなる傾向を認めた。
2)二峰性発熱の増加は認めなかった。
3)遠隔期再発例は、初回不全型で3ヵ月後の1例、初回定型例は7例で、再発時定型例は5例であった。
4)1ヶ月以内の早期に再入院を必要とした例は3例で、発熱を伴わない肝機能悪化例1例を含む。これらで冠動脈病変合併例は無かった。
数  入院期間 gl開始日 発熱期間 二峰性 短期再入
92.11.20...94. 5.30 59 10.0+-7.1 6.3+-1.3 8.6+-5.5 8 0
94. 6. 1...96. 8.31 105 9.8+-3.8 6.3+-2.1 8.0+-3.1 4 0
96. 9. 1...99.12.31 110 9.6+-6.7 7.0+-2.6 7.0+-2.6 6 3
<結語>当院のプロトコールでの比較的短期の入院期間でも大きな問題を認めなかった。
北海道における川崎病患者の管理の現状
・アンケート結果より・
北海道川崎病研究会
○佐々木真樹
背景 成人年齢に達した川崎病罹患者の増加に伴い、小児科と内科の連携が重要な課題となってきている。本年、北海道では小児科と内科の協力体制を整える目的で、川崎病研究会を発足した。
目的 北海道における川崎病罹患者の管理の現状を調査すること。 方法 北海道内の小児科施設の内、主な87施設へアンケート用紙を送付し、急性期の治療とそれ以後の管理、治療について、質問に選択形式で回答してもらった。
結果 49施設(56%)から回答が得られた。川崎病急性期の治療は、アスピリンまたはフローベンとガンマグロブリン400mg/kg/day5日間の投与が大多数で、一部の施設でガンマグロブリン2g/kg/day1日間の投与が行われていた。ステロイドについては、その使用を考慮する施設はほとんど無かった。冠動脈障害を残した患者については、内科年齢に達しても小児科で継続して治療を行っている施設が53%で、内科へ紹介している施設は43%であった。後遺症を残さない患者の経過観察については、小児科で継続して観察しているか、または内科へ紹介している施設が45%で、48%の施設では、ある程度の年齢で中止している。その一方で、川崎病は一生経過観察していく必要があると考えている施設が67%あった。
考察 川崎病の急性期の治療に関してはある程度のコンセンサスがあるが、急性期以後の管理については医師間、施設間でまちまちである。患者管理のガイドラインが必要である。