川崎病急性期治療の総括と展望
-IVGG1g・2g/kg例の追加投与と補助療法-
東邦大学第一小児科
○石北 隆、関口恭子、加藤摩耶、竹内大二、
中山智孝、小澤安文、松裏裕行、佐地 勉 |
川崎病急性期の治療は潜在する心筋障害の改善、冠動脈後遺症の予防を目的とする。冠動脈瘤の形成される第10病日前後までに炎症を軽快させることが重要である。血管周囲組織における
O2-、各種サイトカインなどによる組織障害因子を標的とした治療と、凝固系や循環動態に配慮した抗血小板療法、血管拡張薬投与などの併用が望ましい。我々は83年のIVGG投与導入後、93年より1g/kg投与を開始、96年以後は選択的に2g/kg投与を行なった。93年1月より2000年6月までの7年6か月間の急性期川崎病総入院患者数は222例であり、心後遺症例は11例(4.95%)(拡張6例:2.70%、瘤4例:1.80%、巨大瘤1例:0.45%)、心筋梗塞0%、死亡例0%であった。
【目的】93年1月〜2000年6月までの急性期川崎病222例のうち第7病日以内にIVGGを開始した177例を対象として治療法と発症1か月以後の冠動脈後遺症について検討した。アスピリンは全例に投与した。(アスピリン単独24例、アスピリン+UTI
4例、IVGG400mg/kgx5日5例、第8病日以後にIVGGを開始した12例、計45例は除外した。)
【結果】
| 1g/kg
開始例 |
143例 |
CAL |
2g/kg開始例34例 |
CAL |
| IVGG単独 |
86 |
- |
12 |
- |
| +PSL |
5 |
D,GAN |
6 |
AN |
| +PSL+UTI |
1 |
- |
1 |
- |
| +UTI |
11 |
- |
10 |
- |
| +追加投与 |
14 |
D,AN |
- |
- |
| +追加投与+PSL |
9 |
D |
2 |
AN |
| +追加投与+PSL+UTI |
6 |
D |
2* |
- |
| +追加投与+UTI |
11 |
D |
1 |
- |
D:拡張, AN:瘤, GAN:巨大瘤, *1例はMPSL,(除外例でD1例, AN1例あり)
重症例には抗血小板療法に加え、利尿薬、血管拡張薬、アルブミン補充などを適宜行なった。1g・2g/kg単独が著効した例では後遺症はなかった。
【考察】IVGGは有効な治療法であり、約半数の症例は1g/kgの投与で著効する。1〜2g/kgを投与しても改善が得られない症例には病態、病日を考慮し、追加投与、PSL、UTI他補助療法を行なうべきと思われる。2g/kg不応症例には時期を逸せずにステロイドパルス療法も試みる価値がある。
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