35.川崎病死亡例の病理組織 −ガンマグロブリン大量療法の影響か−
| 矢嶋小児科小児循環器クリニック |
矢嶋 茂裕,矢嶋たえ子 |
| 高山赤十字病院小児科 |
小川 達也,久保寺訓子 |
| 東邦大学大橋病院病理学講座 |
高橋 啓,直江 史郎 |
症例は第19回の本研究会(広島市)で発表した死亡例である。今回、病理組織の詳細な検討により新たな所見を得たので報告する。 【臨床経過】 平成9年12月に発症し3ヶ月後に再発、その翌月、再々発(再燃?)。いずれもガンマグロブリン大量療法を行っている。初回発症時に両側巨大冠動脈瘤を残していたが、梗塞は起こさなかった。最期は高熱が続き、パルス療法、ウリナスタチン療法を行うも心機能低下が進み死亡した。 【病理所見】 心筋にびまん性に炎症細胞浸潤があり、心機能の低下や刺激伝導障害を来したと考えられた。さらに脾臓、リンパ節などの網内系に組織球の貪食像を思わせる空胞が多数みられ、この空胞は組織免疫染色でIgGと証明された。これが何を意味するのかは確定的ではないが、投与されたガンマグロブリンが貪食された可能性が高いと考えられ、ガンマグロブリン大量療法の生体への影響を示唆していると思われた。 |
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36.川崎病のガンマグロブリン治療時にみられる好中球減少に関する検討
| 島津製作所附属診療所 |
尾内善四郎 |
| 京都府立医科大学小児内科 |
浜岡 建城,坂田 耕一,小沢誠一郎 |
| 京都第ニ赤十字病院小児科 |
清沢 伸幸 |
| 川崎病の病初期には稀に好中球減少や汎血球減少をみる。一方、ガンマグロブリン投与後に一過性好中球減少の報告が散見される。その頻度およびガンマグロブリンとの関連性について検討した。対象はPh4処理人免疫ガンマグロブリン(ポリグロビンN)+アスピリン投与群(IVGG)866例で対照にアスピリン単独群50例を置いた。結果として好中球減少を呈する時期に関してはIVGG群は10病日以内が37%、アスピリン単独群は0%であった。好中球減少の頻度に関してはIVGG群では27%で、1000/ul未満が116例(13.6%)、1000ー1500未満が118例(13.4%)であった。アスピリン単独群では24%で、それぞれ4例(8%)、8例(16%)であった。更にIVGG群の一部の症例における好中球をbandとsegmentに分けて検討したが、いずれも減少したがsegmentの減少率が高かった。IVGGは顆粒球造血の抑制とアポトーシス両者を促進すると思われる。 |
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37.6か月以上川崎病患児におけるスーパー抗原抗体価の検討
| 鹿児島大学医学部小児科 |
野村 裕一,武井 修治,吉永 正夫,宮田晃一郎 |
| 鹿児島市医師会立病院小児科 |
益田 君教 |
川崎病(KS)患児81名(IVGG前)と正常(N)児78名においてスーパー抗原 (SA)抗体価をSPEC, SPEA, TSST-1, SEBの4種類測定しSAのKSへの関与について検討した. 【結果】SA抗体価平均値の検討はKS群のSPEAが有意に高値だった(p=0.006).抗体価を年齢別N群の平均+2sdを越える高抗体価例で検討すると,その頻度は SPEAにおいてのみ差を認め,KS患児で18例(22%)とN群の4例(5%)に較べて有意に高頻度だった(p=0.0024).KS患児のSPEA抗体価と病日は有意の正の相関を認めた(p=0.0002). 【考案】Yoshiokaらは急性期の川崎病患児におけるSPEC及びSPEA抗体価の上昇を報告しているが,今回の6か月以上KS患児における検討でもKS発症に近い以前にSPEAの暴露があったことが示唆された.SPEAは川崎病の前段階としての何らかの免疫学的異常状態を惹起し,更に何らかのtriggerが作用して川崎病として発症する可能性が考えられた. |
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38.川崎病罹患児を対象としたPAI-1遺伝子多型の検討
| 産業医科大学小児科 |
酒井 道生,白幡 聡 |
| 北九州市立八幡病院小児科 |
浦野 元 |
目的:我々はこれまで急性期川崎病患児を対象に凝血学的検討を行い、急性期のplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)高値例およびtissue plasminogen activator / PAI-1低値例で冠病変合併率が高いことを見出し、冠病変形成への線溶系関与の重要性を報告してきた。一方、PAI-1にはプロモーター領域に4Gと5Gの遺伝子多型が存在し、成人領域では5G/5Gと比較して4G/4Gでの血栓症発症率が高いことが知られている。今回遠隔期川崎病患児を対象にPAI-1遺伝子多型を測定し、冠病変形成への関与を検討した。 対象:遠隔期川崎病患児のうちinformed consentの得られた12名を対象とした。冠病変を認めた者が6名(A群、瘤2名・一過性拡張4名)と認めなかった者が6名(B群)。 結果:A群;4G/5Gが3名、5G/5Gが3名。B群;4G/5Gが5名、4G/4Gが1名であった。 考察:冠動脈病変発症へのPAI-1遺伝子多型の関与は示唆されなかった。 |
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