39.川崎病発症早期の肝機能障害と各種サイトカインについて
| 東邦大学医学部第二小児科 |
二瓶 浩一,藤井 秀樹,池田 周子, 細野 稔彦,青木 継稔,四宮 範明 |
【はじめに】川崎病の発症早期に20-40%の患児に肝機能障害が見られるが、その機序は明らかではない。各種サイトカインと肝機能障害の関係を明らかにする事を目的とした。 【対象および方法】第5病日以内で、アスピリンや免疫グロブリン療法開始前の35例の川崎病患児を対象とした。肝機能障害はAST≧50IUとし、炎症反応の指標として血清CRPおよびアルブミンと比較した。各種サイトカインはIL-6、IFN-γ、TGF-β、およびVEGFについて同時期に測定した。 【結果】川崎病発症早期にAST≧50IUの症例は、35例中19例(54.3 %)であった。肝機能障害とCRPやアルブミン間には、相関は見られなかった。今回検討したサイトカインでは、VEGFのみ肝機能障害群において有意に高値であった(p<0.05)。 【考察およびまとめ】川崎病発症早期に見られる肝機能障害に、VEGFが関与している可能性が示唆された。 |
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40.急性期川崎病におけるVEGF産生と低アルブミン血症
| 千葉大学小児病態学 |
安川 久美,本田 隆文,地引 利昭 鈴木 一広,小穴 慎二,寺井 勝 |
我々は,川崎病病初期のVEGFの関与を血管透過性の視点から報告してきた(Am J Cardiol,1999).VEGFの役割をさらに明らかにするために,VEGFとアルブミンとの関連を検討した.ELISAにて測定した急性期71人の血清VEGF(n=220)と同じサンプルの血清アルブミン値を検討した.剖検組織(第2―3病週)でのVEGFの発現,fibrinogen/fibrinやヒトアルブミンの局在を検討した. 【結果】急性期川崎病の治療前血清VEGFは対照に比し高値であった(p<0.001).治療後も血清VEGFは更に上昇し,10病日前後でピークを形成,同時期に血清アルブミンの低下を認めた.血清VEGFとアルブミンの間には負の相関(r=-0.53,p<0.001)がみられた.組織では,VEGFが発現する血管周囲にfibrinogen/fibrinやアルブミンが局在していた. 【結語】川崎病では病初期に血管透過性の亢進がみられるが,VEGFの関与が十分に示唆される.血清アルブミン値はVEGF産生の程度を表す指標となりうる. |
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41.川崎病における血中の活性型Matrix metalloproteinase-9 (MMP-9)値の動態
| 防衛医科大学校小児科 |
徳富 智明,竹下誠一郎,中谷 圭吾 辻本 拓,川村 陽一,関根 勇夫 |
【背景】MMP-9は弾性板を破壊し、炎症性血管炎の病態に関与する。その活性は、血漿中でTIMPsと結合し制御されている。今までELISA法による川崎病(KD)の血中MMP-9の増加は報告されてきたが、MMP-9活性を測定した報告はない。 【目的】KDにおける血中の活性型MMP-9値を測定し、その意義を検討する。 【方法】KD18人、敗血症10人、健常児10人の活性型MMP-9値をMMP-9 activity assay systemにより測定した。 【結果】KD急性期の流血中の活性型MMP-9値は、敗血症や健常児に比べ有意に増加し、亜急性期から回復期にかけて漸減した。活性型MMP-9値は、流血中の白血球数(特に好中球数)と有意の正の相関関係を認めた。さらに、急性期において白血球のMMP-9 mRNAの発現は増加していた。 【結語及び考察】KD急性期の血漿中には、TIMPs非結合の活性型MMP-9が過剰に存在し、血管炎の病態への関与が示唆された。また、流血中の白血球はMMP-9の産生源の一つであることが示唆された。 |
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42.川崎病罹患児の末梢白血球における 細胞接着因子Mac-1の発現と血管炎との関係
| 日本医科大学小児科 |
深澤 隆治,内木場庸子,倉持 雪穂,池上 英, 福見 大地,関 隆志,上砂 光裕,勝部 康弘,小川 俊一 |
我々のこれまでの研究で、川崎病罹患児の末梢白血球中にはMRPと呼ばれるCa結合性蛋白質が多量に発現していることを証明し、文献的考察にてMRPは細胞接着因子のMac-1を介する細胞接着に深く関わることから、血管炎との密接な関係が疑われた。今回、我々は川崎病罹患児の末梢白血球中のMac-1発現を定量し、また培養ヒト冠動脈内皮細胞と川崎病罹患児の末梢白血球との接着能を検討した。 【方法】患児(n=21)末梢白血球におけるMac-1とβ-Actinの発現を定量PCRにて定量した。また、患児白血球をBCECF-AMにてラベルした後、TNFα100pg/mlにて刺激を行った培養ヒト冠動脈内皮細胞と反応させ、その接着能をはかるAdhesion Assayを行った。 【結果】Mac-1の発現は川崎病急性期に最高値を示し、ガンマグロブリン療法後から漸減し、発病一ヵ月後には急性期より有意に低下していた。また、内皮細胞と患児白血球との接着は抗Mac-1抗体により有意に阻害された。 |
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43.川崎病類似冠状動脈炎モデルにおける起炎物質の検討
| 東邦大学医学部付属大橋病院病理学講座 |
大原関利章,高橋 啓,直江 史郎 |
| 東京薬科大学薬学部免疫学教室 |
三浦 典子,大野 尚仁 |
| 国立感染症研究所生物活性物質部 |
鈴木 和男 |
【目的】川崎病類似冠状動脈炎モデルにおける起炎物質について検討した。 【材料・方法】既報に従い川崎病患児糞便中のカンジダ菌体抽出物を作製、NMRで成分分析した。さらに、抽出物から蛋白を除去したフェーリング処理物質や硫安処理物質、抽出残渣からβ1,6-グルカンを主に含む可溶物質とβ1,3-グルカンを主に含む不溶物質を作製した。使用動物や接種方法等は従来の方法に準じ、冠状動脈炎の有無を組織学的に検索した。 【結果】抽出物は主にマンナンで構成され、少量のβ1,6-グルカンと蛋白、微量のβ1,3-グルカンを含んでいた。冠状動脈炎発生率は、抽出物:5/10、フェーリング処理物質:1/10、硫安処理物質:4/10、次亜塩素酸処理可溶物質:3/10、不溶物質:2/10であった。各群間で冠状動脈炎の組織像に差異は認められなかった。 【考察】本実験系の動脈炎発生に、マンナン、β1,6-グルカンの関与が示唆された。 |
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