52.川崎病急性期の酸素テント収容とγグロブリン待機の効果
共立湖西総合病院小児科 西田 光宏
【目的】72-96時間の酸素テント収容、抗生剤静注、アスピリン内服の補助療法を実施しγGl投与を6-7病日まで待機することの効果を検討する.
【対象と方法】対象(A群)は平均6.8ヵ月,平均原田スコア4.6項目の8名で,補助療法を実施し平均6病日にγGlを投与した.対照(B群)は平均10.6ヵ月,平均スコア4.6項目の8名で,平均3.5病日にγGlを投与した.
【結果】A群の入院日平均最高体温39.1は4日目に37.9まで低下した。入院時平均WBC 14426はγGl開始日に10811に低下した。γGl平均投与量は1.38g/kgで,72時間以内の追加投与例はなかった。B群の平均γGl投与量は2.12g/kgとA群より有意に多く,追加投与例は2例であった。
【まとめ】γGl投与を6.0病日まで待機し,酸素テント収容などの補助療法を行うことで,γGl投与量と追加投与例の減少が期待できる。
53.急性期川崎病に対するウリナスタチン単独療法の有用性と限界について
岐阜県立多治見病院小児科 中野 正大
【対象】1998年11月から2001年4月までに当科に入院した全ての第7病日以内の未治療の川崎病42症例。
【方法】ウリナスタチン(UTI)5,000単位/kgを輸液に溶解し、4時間毎に30〜60分かけてCRPが1.0 mg /dl 未満になるまで点滴静脈内投与を継続した。UTIの一日最大投与量は5万単位×6回/日(30万単位/日)とした。
【結果】UTI投与開始後1〜2日以内に発熱とAPRの改善傾向がみられ、最低Alb値が3.0g /dl 以上であったA群25例(59.5%),UTI投与開始後も平均約3日間は発熱、APRの改善が認められず、その後次第にそれらが改善され最低Alb値が3.0g/dl 未満を呈したB群13例(30.9%),UTI投与開始後、一度発熱・APRの改善傾向を示した後、それらが再燃し、最低Albが2.5g/dl 以下を呈し、1〜2g /Kg のγ−Gloの併用を必要としたC群4例(9.5%)に分類された。C群の1例が中等度の冠動脈瘤を合併した。
【結語】UTI投与中に発熱・APRの再燃がみられる例ではγ−Glo の併用が必要である。
54.川崎病における血中ウリナスタチン濃度の動態に関する検討
防衛医科大学校小児科 川村 陽一,竹下誠一郎,中谷 圭吾
辻本  拓,川瀬 博子,徳富 智明,関根 勇夫
【はじめに】我々は、川崎病(KD) のIVIG超大量療法にウリナスタチン(UTI)を早期に併用することによって炎症反応が早期に低下するが、冠動脈病変(CAL)発生には差を認めないことを報告した。
【目的】血中UTI及びelastase濃度を測定し、現行のUTI療法の有効性を検討する。
【対象および方法】IVIG超大量単独療法又はIVIG+UTI早期併用療法(5,000 u/kg/回)を施行しKD患児18名において、血中UTI及びelastase濃度をELISA法で測定した。
【結果】UTI投与によって血中濃度が上昇することが確認された。入院時のUTI濃度はCAL(+)群の方がCAL(-)群に比較して高値の傾向を認めたにも関わらず、UTI投与後にはCAL(+)群の方がむしろ低い傾向を認めた。
【考察】KD 重症例において、現行のUTI投与法では十分な血中濃度に達しない可能性が示唆された。
55.川崎病の新しい治療法 −ウリナスタチン療法の当科での成績−
神鋼加古川病院小児科 吉田  茂,藍  祥子,今井 恵介,三舛信一郎
 1983年に古庄らにより川崎病に対する有用性が報告されて以来、免疫グロブリン大量( IVIG )療法が川崎病の確立された治療法として広く行われているが、IVIG 投与にても解熱せず、追加投与を余儀なくされたり、追加投与でも無効で冠動脈瘤を形成するようなIVIG不応例が問題となっている。また、投与対象例を重症例に限定するために考案された原田のスコアを使用しても、現在、全川崎病患者の約8割に、血液製剤である免疫グロブリン製剤が投与されることになり、潜在的なリスクは大きいと考えられる。これらの問題を考慮して我々は川崎病に対する新しい治療法として、ウリナスタチン(UTI)療法の有用性を検討して来た。川崎病血管炎の病理学的機序やUTIの作用機序を考慮して、より早期のUTI投与が望ましいと考え、1999年3月から当科独自の川崎病治療プロトコールを作成し、現在までに川崎病患児60例に対し、UTI療法を施行し良好な結果を得られたので報告する。