5.長期にわたる川崎病の経過観察中にSjogren症候群と診断しえた1女児例
| 東京慈恵会医科大学柏病院小児科 |
和田 靖之,的場 雅子,久保 政勝 |
| 東京慈恵会医科大学小児科 |
衛藤 義勝 |
川崎病の長期予後については、現在なお不明な部分が少なくない。今回我々は、治療終了1年後よりリウマチ因子が上昇し、移動性関節痛を訴え、subclinical Sj喩ren症候群と診断しえた一例を経験した。 【症例】川崎病の診断基準を満たした10ヵ月女児。入院時より血清補体価は低値。γ-gl大量療法を施行中に冠動脈病変が出現、その後プレドニゾロン静注療法にて症状/検査は改善。1歳9ヵ月時よりリウマチ因子が上昇し、2歳9ヵ月頃には移動性関節痛が出現した。以後症状/検査所見が持続、8歳時にsubclinical Sjoren症候群と診断した。 【結語】川崎病は、全身性の中小動脈の血管炎という病理組織像を有する。しかし一般に病理組織学的検討が困難であったり、また同様な組織所見を呈し他疾患との鑑別が困難な症例も少なくない。本症例は、治療終了後もさまざまな疾患の鑑別が必要で、長期にわたる経過観察が重要であると思われた。 |
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6.川崎病の経過中に血清クレアチニンフォスフォキナーゼ(CPK)値が 著減したベッカー型筋ジストロフィー(BMD)の1例
| 埼玉医科大学総合医療センター小児科 |
中村 利彦,小川雄之亮,高崎 二郎,山田 大悟 |
BMDに川崎病を合併した1男児例を報告する。 症例:7か月男児。BMDの臨床診断のもと外来フォロー中であったが、診断基準5項目を満たし川崎病と診断され、第5病日よりγグロブリン400mg/kg/day、5日間投与した。冠動脈には異常は認めなかった。検査所見において、CRPは第3病日の8.5mg/dlを最高値として以後漸減した。血清CPK値は、川崎病急性期に罹患前に比して著減し、第8病日には最低値592 IU/lとなり、以後漸増し第26病日には14685 IU/lと罹患前値に復帰した。 考察:本症の特徴は、川崎病急性期にCPK値が著減し、炎症が消退するとともに罹患前値にまで漸増したことである。川崎病としての治療が開始される直前よりCPK値が減少していたことから、治療によってCPK値が変化したのではなく、川崎病の病体自体により生じた可能性があり興味深い。本症例と同様な現象は、JRAに伴った1例の報告のみであり、今後の同系統疾患合併症例の集積が必要と思われた。 |
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7.急性胃腸炎様症状で発症した川崎病の2症例
| 県立宮崎病院小児科 |
佐藤潤一郎,西口 俊裕 |
| 川崎病は多彩な症状を呈し、その診断にあたっては注意深い経過観察が必要である。今回、急性胃腸炎様症状で発症した川崎病の2例を経験したので報告する。症例1は7歳女児。発熱・腹痛・下痢を主訴に第4病日に入院。補液、抗生剤で治療行うも改善せず、腹部エコーおよび腹部CTで腸管の拡張と腹水を認めた。第7病日に急性腹症の診断で開腹術を施行したが腸管の浮腫、腹水以外の所見は認めなかった。第8病日発疹・眼球結膜充血出現、第11病日よりγ−グロブリンの投与を開始した。第12病日に苺舌、第16病日に指趾の膜様落屑認めた。症例2は5歳男児。発熱・腹痛・頻回の嘔吐・下痢を主訴に第2病日に入院。腹部エコーで腸管の著明な拡張と粘膜の浮腫を認めた。補液、抗生剤投与で治療行うも症状改善せず、第4病日眼球結膜充血、苺舌出現。第6病日発疹を認めγ−グロブリンを投与した。投与後解熱し膜様落屑も認め、腹部症状も軽快した。 |
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8.川崎病遠隔期に冠動脈瘤を新たに生じた1例
| 西神戸医療センター小児科 |
深谷 隆,馬場 國藏 |
| 神戸市立中央市民病院小児科 |
冨田 安彦 |
| 川崎病遠隔期に,従来の報告とはやや異なる冠動脈瘤の新生を認めた1例を経験したので報告する.症例は女性.生後7ヶ月時に川崎病に罹患し,1歳0ヶ月時にはじめて冠動脈瘤を指摘された.1歳8ヶ月時に他の施設で冠動脈造影を受け,左右両冠動脈起始部の動脈瘤と診断されていた.6歳3ヶ月時の造影では右冠動脈起始部に中瘤があり,左主幹部の中瘤とセグメント7の軽度の拡大がみられた.13歳8ヶ月時の造影では,セグメント6の軽度の狭窄が見られたが,セグメント7の拡大は明らかではなかった.16歳8ヶ月時の造影ではセグメント6から分枝する細い冠動脈の分枝部に小さい動脈瘤が出現し,19歳0ヶ月時の冠動脈造影では,この新生瘤はやや増大していた.セグメント7の近位部にも冠動脈瘤を生じていたが,この冠動脈瘤はセグメント6の狭窄によって生じたと考えられた.冠動脈瘤新生について若干の検討を加えて報告する. |
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