23.川崎病遠隔期の冠状動脈の血管内超音波法による
血管壁構造および弾性度の検討
久留米大学小児科 石井 正浩,家村 素史,古井 潤,牟田 広実,
菅原 洋子,赤木 禎治,加藤 裕久
 川崎病児70例と対照群10例に対して血管内超音波法(IVUS)を施行した。Group (G) 1:冠状動脈瘤を持つ18例、G2:狭窄病変をもつ18例、G3:消退した22例、G4:冠状動脈病変を有さない患児6例である。IVUSにより血管弾性度石灰化率 (CI)を算出した。G1(内-中膜厚:0.7±0.2 mm, CI:55 ± 21%)とG2(内-中膜厚:0.9±0.4 mm, CI:81 ± 20%)では種々の程度の内膜の肥厚と石灰化を認めた。G3では、3層構造を呈したが石灰化病変は認めなかった(内-中膜厚:0.5±0.1 mm, CI:0 %)。G4では壁構造は一層性で対照群と同じであった。血管弾性度はG1(2 ± 2 %)とG2(0.8 ± 1.5 %)では著明な低下を認めた。G3(8.1 ± 3.7 %)においても血管弾性度は対照群(22 ± 13 %)に比し有意に低下した。G4(21 ± 11 %)では対照群と同等の良好な血管弾性を示した。川崎病遠隔期において冠状動脈脈病変残存例および消退例で異常な血管壁構造を有し血管弾性度が低下している。
24.川崎病急性期冠状動脈障害の定量的評価の試み
:Vascular Endothelial Growth Factorと冠動脈壁エコー輝度による検討
雪の聖母会聖マリア病院小児循環器科 古井  潤,棚成 嘉文
久留米大学小児科 石井 正浩,菅原 洋子,赤木 禎治,加藤 裕久
雪の聖母会聖マリア病院小児科 姫野和家子
<目的>川崎病急性期における冠状動脈障害を定量評価および冠状動脈障害予測因子を検討する。
<方法>対象は川崎病患児40例、対照は無熱性10例、有熱性10例。IVIG投与前、その後は48時間毎に冠状動脈壁の超音波後方散乱信号(IB)と血漿VEGFを測定。以下の2群に分けた、Group A CAL非合併例32例、Group B: CAL合併例8例。
<結果>川崎病急性期の冠状動脈壁 のIB値及びVEGF動態は亜急性期(8±3病日)とCAL発生が最も多い病日に一致してピーク値を示した。冠状動脈障害発生との検討では、CALを発生した群では、すでにIVIG投与前に冠状動脈壁のIB値およびVEGF値の有意な上昇を認めた。川崎病児のIB値とVEGFはr=0.78と有意な正の相関関係をを認め、特に冠状動脈壁IB値34dBからは加速度的にVEGFが上昇した。
<結語>川崎病急性期において冠状動脈壁IB値とVEGFは冠状動脈障害程度を定量化することが可能で、CAL予測因子と成ることが示唆された。
25.3次元Marnetic Resonance Coronary Angiography (MRCA)による
幼若児から成人の川崎病冠動脈障害の描出
東京逓信病院小児科 稲葉利佳子,鈴木 淳子,小野 正恵
【目的】川崎病の冠動脈障害は狭窄に進展する例があり、終生頻回の造影検査が必要とされている。幼若児においては造影のリスクも大きく、私どもは非侵襲的MRCAの川崎病冠動脈障害における評価を行った。
【方法、対象】MRCAを川崎病既往の17例(4か月齢−24歳)に3Dtrue FISP法、3D-FLASH法、呼吸停止不可能な乳幼児6例にはnavigater echo 3D FLASH法を用いて行い、造影(8例)や心エコー(9例)所見と比較検討した。
【結果】MRCAは1例の軽微な拡大を除く冠動脈瘤(12/13例)、局所性狭窄(5/5例)、バイパス開存(2/2例)、正常冠動脈枝(34/36枝)などが描出可能であった。心エコーが入らない1例で左冠動脈瘤が発見された。
【結論】MRCAで乳幼児から成人まで冠動脈病変の描出が可能であり、冠動脈の経過観察と川崎病既往例の動脈硬化性病変のスクリーニングに有用と思われた。
26.当科における川崎病カテーテル治療の長期予後
久留米大学医学部小児科 赤木 禎治,石井 正浩,古井 潤,菅原 洋子,
家村 素史,姫野和家子,水元 淑恵,加藤 裕久
 近年川崎病冠動脈狭窄病変に対するカテーテル治療の有効性について,さまざまな報告がなされているが,その長期成績については十分な検討が行われていない.1994年から2000年までに当科で施行された川崎病カテーテル治療32例(PTCA:10例,Stent:10例,Rotablator:12例)について,現在までの長期予後について検討を行った.カテーテル治療後3ヶ月〜4年にフォローアップカテーテルを施行し,再狭窄の有無を確認した.最終受診時(8ヶ月〜7年後)における虚血性変化の有無を確認した.カテーテル治療後の経過観察中,虚血性の変化を認めた例はなかった.PTCAを施行したが十分な拡張の得られなかった1例は,バイパス術を施行した.カテーテル治療に合併した新生動脈瘤(2例)の拡大は認めなかったが,退縮も認めなかった.さらに現在行っている川崎病カテーテルインターベンションの長期予後に関する多施設研究の調査結果についても報告する.