急性期無治療で巨大冠動脈瘤を残し、
その後心筋梗塞を発症した川崎病の女児例
| 公立陶生病院小児科 浅井俊行 |
【はじめに】川崎病は発現する症状の種類・程度が多彩なため、時に診断が遅れたり
、他の疾患と誤って診断されることがある。急性期に川崎病としての治療を受けず、その後重篤な経過を辿った女児例を経験したので報告する。
【症例提示】症例は10歳女児。細菌性胃腸炎との診断にて某院に入院し抗生剤治療を受けた。退院後医師より川崎病と告げられた。その後当院を受診した。初診時の心エコー検査にて両側巨大冠動脈瘤の存在が判明した。アスピリン・パナルジン投与し外来にて経過観察とした。川崎病発症から約2年後、胸部圧迫感と嘔気を訴えたため冠動脈造影検査を施行した。seg6が完全閉塞していた。CPKの上昇・ECG変化より急性心筋梗塞と診断した。tPA、UKの全身投与し、ワーファリンの服用も開始した。その後心筋梗塞の再発はなく。CABGを待機中である。
【結語】“疑い、治療開始のタイミングを失しない”ことが川崎病の診療において重要と思われた。
キーワード:無治療の川崎病、巨大冠動脈瘤、心筋梗塞 |
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発症2年後に急激な瘤の増大を認めた一例
| 日本医科大学小児科 池上 英 守田利貞 深澤隆治 渡邉美紀 小川俊一 |
【症例】3歳1ヶ月の男児。平成12年6月、川崎病に罹患。急性期にガンマグロブリン(totalで4g/s)にて治療されたが、両側冠動脈瘤が認められた。平成12年12月、当院にてCAGを施行。RCAはregressionしていたが、seg5〜6に軽度の拡張、seg6〜7に5×14mmの冠動脈瘤を認め、DOB負荷心筋シンチにて虚血が見られたため、ワーファリン、ロサルタンの投与を開始した。その後、平成13年4月には、瘤が4×9mmと縮小、さらに平成14年3月には瘤が3.5×7mmとなったが、seg5〜6の拡張病変と瘤の間に90%の狭窄が見られPTCAの適応と診断した。平成14年7月PTCA目的で入院。CAGにて瘤は10×20mmと急激に増大し、さらに瘤内の著明な血流低下、血栓形成を認めCABGを施行した。
【結語】発症より2年の経過後、急激な冠動脈瘤の増大を認めCABGを施行した1例を経験した。
キーワード:動脈瘤、再拡大、CABG |
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川崎病性冠動脈病変と診断された単一冠動脈の一例
| 東京慈恵会医科大学小児科 浦島 崇 高木 健 寺野和宏 藤原優子 矢野一郎 衛藤義勝
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【症例】5歳男児。既往歴・家族歴に特記事項無し。
【現病歴】4歳時に川崎病を発症(主要症状X/Y)。第5病日にアスピリンとγグロブリン大量療法を開始し第8病日に解熱した。心エコーで左冠動脈の拡張を指摘され、その後も所見の改善を認めなかったために心臓カテーテルを施行したところ左側単一冠動脈を確認した。冠動脈の内腔は平滑で瘤、狭窄病変は認めなかった。心エコーでconus-branchを右冠動脈として認めたが右冠動脈開口部の描出は困難であった。心電図で異常Q波、ST-T変化は認めなかった。MIBG心筋シンチでは血流分布に異常は認めなかった。
【考察】単一冠動脈は稀な冠動脈奇形である。川崎病との合併の報告は国内で1例のみである。左冠動脈の拡張は単一冠動脈による影響と考えられ心エコーで冠動脈開口部の描出が困難な症例では心血管造影での診断が必要と考えられた。
キーワード:小児,川崎病、単一冠動脈 |
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超巨大冠動脈瘤を合併しγ−グロブリン超大量療法、
ステロイドパルス療法不応であった一男児例
| 順天堂大学小児科 大槻将弘 秋元かつみ 高橋 健 稀代雅彦 大久保又一 山城雄一郎 |
症例は5ヶ月の男児。第9病日に川崎病の診断にて順天堂浦安病院紹介入院。第10病日より計3回のγ−グロブリン超大量療法、第12病日よりウリナスタチン療法、第18病日より計2回のステロイドパルス療法施行されたが、急性期所見の改善みず、第20病日両側冠動脈瘤確認(右:5.6mm、左:6.2mm)。以後も急性期症状継続し、第43病日当院転院となった。第48病日解熱傾向示し、第110病日CRPの陰性化を認めた。経過中両側冠動脈瘤は増悪傾向を示し、第48病日には左:13mm、右:11mm。全身MRAにて内頚動脈、下行大動脈、腸骨動脈などに巨大な瘤を認めた。さらに同日左冠動脈瘤に血栓が形成され、ヘパリン、ウロキナーゼ、ワーファリン投与開始。第80病日左:21mm、右:13mmで拡張はとまったが、第138病日に心筋梗塞を発症し、140病日死亡した。本症例の経過、治療戦略、剖検結果について文献的考察を含め報告する。
キーワード:川崎病、冠動脈瘤、γ−グロブリン不応 |
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