ガンマグロブリン投与後に無菌性髄膜炎をきたした2例
大牟田市立総合病院 橋野かの子 豊田 温 村上義比古
久留米大学・小児科 石井正浩 |
ガンマグロブリン療法(IVIG)の副作用に無菌性髄膜炎がある。今回、川崎病のIVIG後に無菌性髄膜炎を発症した2症例を経験したので報告する。
【症例1】5歳、男児。発熱、頸部リンパ節腫脹、球結膜充血を認め、4病日、川崎病と診断。IVIG(2g/Kg)(乾燥スルホ化人免疫グロブリン)、アスピリン30mg/kg/日を併用、投与後48時間より、頭痛、嘔吐、項部硬直を認め、髄液の細胞数が180/3と上昇、無菌性髄膜炎と診断した。
【症例2】5歳、女児。発熱、頸部リンパ節腫脹、発疹、手掌・足底紅斑、球結膜充血を認め5病日に川崎病と診断。IVIG(2g/Kg)(症例1と同製剤)とアスピリン30mg/kg/日を併用、IVIG直後に頭痛、嘔気、項部硬直を認め、髄液の細胞数3203と上昇、無菌性髄膜炎と診断した。両症例に使用した製剤のLot番号が同一であり、現在因果関係を含め詳細を検討中である。
キーワード:ガンマグロブリン療法、副作用、無菌性髄膜炎 |
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漿膜炎を呈した川崎病の1例:胸水中のVEGF値と浸潤細胞の解析
| 千葉大学大学院医学研究院小児病態学 本田隆文 藤井克則 鈴木一広 安川久美 寺井 勝 |
ガンマグロブリン(GG)治療不応の川崎病で、胸膜炎、心外膜炎を合併した1女児例で漿液中の細胞やVEGF値を解析したので報告する。
【症例】 5歳女児。眼球結膜充血以外の診断基準5項目を満たし川崎病の診断で3病日からGG治療(1g/kgを2日間)を受けたが解熱なく11病日から追加投与(1g/kgを2日間)を受けた。15病日に顔色不良が出現、四肢冷感、胸水、大量の心嚢水が認められ千葉大学に紹介転院となった。
【経過と検査所見】 2mg/kg/日のPSLが奏功し心嚢水、胸水ともに消失した。経過中冠動脈合併症は認めなかった。PSL使用前のVEGF値は血清3919pg/ml、胸水748pg/mlと高値であった。胸水細胞診では好中球34%、単球20%、組織球14%、リンパ球10%、中皮細胞21%、好酸球1%であった。
【結語】 漿膜炎を併発した川崎病例において、血液、胸水のVEGFが高値であった。
キーワード:川崎病、漿膜炎、VEGF |
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びまん性粒状結節状肺陰影を呈した川崎病の1症例
| 関西医科大学小児科 藤田安奈 寺口正之 池本裕実子 蓮井正史 小林陽之助 |
川崎病の胸部エックス線写真(X-p)でびまん性粒状結節状陰影を呈する症例はまれである。
【症例】6か月の男児。発熱を主訴として第3病日に来院し、BCG接種部位の 発赤と両眼結膜充血から川崎病を疑われ同日入院した。
【検査所見】WBC 14,100(好中球72.5%。リンパ球27.0%)。Na 131 mEq/l, K4.6
mEq/l, Cl 98 mEq/l。CRP 10.07 mg/dl。血液ガス正常。
【経過】入院当日のX-pでびまん性粒状結節状陰影を認めた。 感染症は否定的であった。利尿薬投与前後でX-p陰影に変化はなかった。経過中に川崎病の主要項目の5/6を認め、原田のスコアを満たし、第5病日にガンマグロブリン2g/kgを投与した。翌日には解熱、症状も改善した。X-p異常陰影は第14病日に消失した。冠動脈拡大なく、第15病日に退院した。
【まとめ】ガンマグロブリン療法に反応し、血管炎による異常陰影と考えられた。
キーワード:川崎病、びまん性粒状結節状陰影、合併症 |
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川崎病にて経過観察中に神経鞘腫が発見された1例
| 和歌山県立医科大学小児科 島 裕子 南 孝臣 神波信次 武内 崇 鈴木啓之 上村 茂
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14歳男児。生後3か月時に川崎病に罹患し、左右冠動脈に直径6〜7mmの瘤を生じた。ジピリダモール、アスピリンにて治療を行い、冠動脈瘤は退縮傾向を認め,外来にて経過観察となった。川崎病罹患12年4か月後の心臓カテーテル検査にて冠動脈瘤はC1に4mm残すのみとなっている。外来通院中の胸部レントゲンにて偶然、胸椎左縁に腫瘤陰影を認めた。胸部CTにても第9-10胸椎に接する球状腫瘤が認められ、MRIではT1
low,T2 highであった。外科的摘出術にて腫瘍は一塊で全摘でき、組織診断の結果は神経鞘腫であった。術後経過は良好で現在のところ再発は認められていない。
川崎病罹患後に神経鞘腫を発症した稀な症例なので報告する。
キーワード:川崎病、神経鞘腫、冠動脈瘤 |
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