川崎病の親子例
自治医大公衆衛生 上原里程 屋代真弓 中村好一
埼玉県立大学 柳川 洋 |
【目的】川崎病患児の両親が川崎病の既往を有する確率は高いかどうかについて評価する。
【方法】第16回川崎病全国調査に報告された患児と同数の両親が存在すると仮定し、これらの両親について、人口動態統計より1962年から1984年までの出生年別の人数を算出した。16回すべての全国調査の患者データより、上記期間の川崎病罹患率を算出し、両親が既往歴を有する期待値を求めた。
【結果】14,163組の両親のうち33人(母25人、父8人)に既往があった。両親に既往のあった患児は心合併症の頻度が高く、再発例、同胞例が5-6倍多かった。両親が既往を有する期待値は16.1人(母8.4人、父7.7人)であり、観察値以上となる確率は両親および母で0.001未満であった(ポアソン分布)。
【結論】川崎病患児の両親が既往を有する確率は有意に高く、発症に遺伝的な疾患感受性の関与が示唆された。
キーワード:親子例、全国調査、疫学 |
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4ヵ月未満川崎病の臨床的検討
| 天使病院小児科 古川卓朗 岩井 崇 太田八千雄 |
【目的】4ヵ月未満川崎病患者の臨床像及び検査所見の検討
【対象】当院にて平成3年〜13年に治療した4ヵ月未満川崎病患者9例
【結果】対象患者は全体の約4%であったが、IVGG不応例は44%を占め、冠動脈後遺症の発症率も22.2%と全患者の2.3%より有意に高かった。入院・治療開始は、4ヵ月以上の患者と比較しても早かったが入院時に川崎病と診断されていたのは1/3であった。川崎病症状の中で全例に認められたのは「発熱」「発疹」であり、早期診断に重要な症状と考えられた。咽頭培養で55%の患者にMSSAが検出された点、原田のスコアが乳児早期の患者においても重症度とよく相関していた点等が、特徴的であった。
【結論】乳児早期の川崎病は重症化しやすく、また冠動脈病変も生じやすく、種々の治療に抵抗する症例もみとめられ、注意が必要である。
キーワード:4ヶ月未満、川崎病、IVGG不応例 |
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生後60日以下に発症した川崎病児の特徴
和歌山県立医科大学小児科 上村 茂 鈴木啓之 武内 崇 南 孝臣
埼玉県立大学 柳川 洋
和歌山県立医科大学公衆衛生学 坂田清美 |
【研究目的】生後60日以下の新生児および乳児が川崎病に罹患している実態は、本邦はもとより欧米諸国でも十分な認識はない。このため、診断の適合性、治療、後遺症などの特徴を他の年齢群と比較検討する。
【研究方法】第14回、第15回、第16回川崎病全国調査を対象とし、年齢区分として、0〜60日、61〜120日、121〜180日、181日〜1歳、1〜2歳、2〜3歳、3〜4歳、4〜5歳、5〜6歳、6歳以上の10群とした。
【結果】川崎病発症時、生後60日以下の頻度は極めて低く、第14回では57名、第15回では78名、第16回では48名の計183名(0.45%)であった。この群の特徴を解析した結果、初診日は早いが川崎病の主要症状は出揃いにくく、容疑例が多く、治療は早く開始しているが心障害の頻度は高く、この年齢層の川崎病児は重症度が高いことがわかった。
キーワード:川崎病、生後60日以下、乳児 |
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川崎病年長例の臨床像と予後:第16回全国調査成績による検討
久留米大学医学部医学科1年 阪上尊彦
久留米大学小児科 牟田広実 石井正浩
自治医科大学公衆衛生 中村好一
埼玉県立大学 柳川 洋 |
【目的】川崎病全国調査を用いて年長例の特徴を明らかにすること。
【方法】対象は、第16回全国調査で報告された6歳以上の患児805例。6歳未満の例(14,509例)と比較検討した。
【結果】初診時病日は4.7±2.7日で、有意に遅かった(p<0.001)。診断は、定型例79.6%、不定形例4.8%、容疑例15.5%であった。
GG開始日は6.1±2.1病日で有意に遅かった(p<0.001)。γグロブリン(GG)使用例は81.0%で有意に少なかった(p<0.001)。GG総量は1683±502mg/kgで有意に少なかった(p=0.001)。急性期心障害、心後遺症はそれぞれ23.0%、9.3%で有意に多かった(p=0.006,
0.001)。 再発例は8.8%で有意に多かった(p<0.001)。
【結語】年長例は、治療開始が遅く、GG使用例,量ともに少なかった。また、心後遺症を残す例が多かった。
キーワード:年長例、冠状動脈瘤、全国調査 |
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