川崎病におけるサイトカインの変動-ガンマグロブリン投与時期に関する考察-
| 京都第二赤十字病院小児科 伊藤陽里 清沢伸幸 |
川崎病における大量ガンマグロブリン(以下GL)療法の投与開始時期に統一した見解はない。我々は川崎病病初期のサイトカインを測定し、GLの至適投与時期を検討したので報告する。
【対象と方法】第4病日以内に川崎病で当院に入院した症例の第4病日以内、第5病日、第7、第8病日の検体についてそれぞれIL-6、SIL−2Rを測定した。
【結果と考察】測定した症例は男児10名、女児8名の計18名で年齢は3ヶ月から5歳(平均1歳10ヶ月)だった。治療は17名で第5病日、1名で第6病日より開始した。計測値のピークは18名中15名は第5病日、3名は第4病日以内にあった。またSIL−2R値が第4病日以内に比べて第5病日で変化がないか低下していた群では、上昇していた群に比べて有熱日数が有意に短かった。以上より炎症のピークは第5病日以内に存在し、その時期を待ってGLを投与するほうが治療効果は高いと考えられた。
キーワード:大量ガンマグロブリン療法、サイトカインの変動、ガンマグロブリン至適投与時期 |
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ガンマグロブリン不応の川崎病症例の検討
大垣市民病院第2小児科 西原栄起
名城病院小児循環器科 木村 隆 牧 貴子
あいち小児保健医療総合センター 長嶋正實 |
ガンマグロブリン療法(IVGG)不応の症例がしばしばみられる。それらの症例を後方視的に検討した。1996-2001年でIVGG不応と見なされた川崎病症例のうち、不応の定義に適合する75例。不応の定義は、初期治療(IVGG
2g/kg)後24-48時間以内に (1)37.5℃以上の発熱 (2)治療開始時よりCRP上昇 (3)心エコーにて冠動脈の拡大以上
の変化を認めたものとした。対象75例を1.臨床経過:(A)追加治療有効群(B)追加治療 やや有効群(C)再燃群(D)追加治療抵抗群(E)追加治療未施行群
2.追加治療内容:ステ ロイド併用群、IVGG単独治療群 3.冠動脈瘤:形成例、非形成例に分類し検討した。 1.臨床像、検査値は各群間で有意差はなかった。2.ステロイド併用群は追加治療後の
有熱期間が短かった。冠動脈瘤発生率の有意差はなかった。3.冠動脈瘤形成例におい てIVGG開始病日が有意に遅れていた。追加投与抵抗群、追加投与未施行群で冠動脈瘤
発生率が高かった。ステロイド併用群で有熱期間が短縮した傾向があった。IVGG不応 に対する追加治療プロトコールの前方視的検討が必要であると思われた。
キーワード:ガンマグロブリン、冠動脈瘤、ステロイド |
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ガンマグロブリン不応例の早期検出について
昭和大学横浜市北部病院小児科 藤原大輔 野中善治 曽我恭司
昭和大学小児科 飯倉洋治 |
川崎病のガンマグロブリン療法(以下IVG)で不応例の早期検出は未確立。目的:発症から第8病日までに不応例を検出する。
【対象】平成13年4月からの入院例28例。
【治療方法】IVG400mg/Kgで開始し解熱がない場合は適宜追加を原則。
【方法】不応例の定義は(1)IVG投与開始後48時間(2)IVG合計2g/Kg投与直後で後方視的に検討。
【所見検査項目】発熱・WBC・好中球・幼若球・血小板・Ht・CRP・HDL−Ch・Na・総蛋白:アルブミン・ガンマグロブリン・GOT・GPT・総ビリルビンの経過を見た。
【結果】一過性の拡張以上の冠合併は2例(7%)。不応例の予測に役立つ所見(1)解熱なし(2)CRP改善傾向なし(3)幼若球減少なし(4)HDL−Ch低値など。不応例は治療開始から解熱までの検査頻度を考慮し早期評価すべきである。
キーワード:ガンマグロブリン療法、不応例 |
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新しいプロトコールによる急性期川崎病に対する
選択的ウリナスタチン・免疫グロブリン併用療法の治療成績
| 岐阜県立多治見病院小児科 中野正大 |
【目的】2000年11月から新しいプロトコールによる選択的UTI・γ−Glo併用療法を行い、その有用性を検討した。
【方法】1998年11月から2002年5月までに当科に入院した第7病日以内の未治療の川崎病59症例を対象とした。UTI 5万単位を輸液に溶解し、4時間毎に60分かけて、CRPが1.0mg/dl未満になるまで静脈内点滴投与した。経過中、血清Alb≧3.0g/dlを呈したA群、血清Alb<3.0g/dlを呈したB群、UTI投与中に発熱・CRP・WBCの再上昇、または血清Alb≦2.5g/dlに低下しγ―Gloを併用したC群、に分類しそれらの特徴を比較検討した。
【成績】A群は37例(62.7%)、B群は14例(23.7%)、C群は8例(13.6%)であった。C群は2例を除き血清Alb≦2.5g/dl,GOT・GPT>100IU/Lを呈し、A・B群に比しWBC・CRP値の著明な増加とChEの著明な低下が見られ、冠動脈の中等瘤が1例、一過性の軽度拡張が3例に認められた。
【結論】ほとんど(86.4%)の川崎病は、UTIの早期単独療法により冠動脈病変を認めることなく、治療することが可能であった。8例(13.6%)においては、UTIのみでは炎症反応が遷延したが、γ―Glo 1〜2g/kgを併用することにより、炎症反応をより速やかに終結し、冠動脈病変を最小限に防止できた。
キーワード:ウリナスタチン、血清アルブミン、血清コリンエステラーゼ |
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