Cyclosporineが著効した難治性川崎病の1例
| 鹿児島大学医学部小児科 町頭尚子 藤山りか 益田君教 野村裕一 武井修治 吉永正夫 |
症例は7か月男児。繰り返し行った免疫グロブリン療法 (IVGG)に不応で、17病日に当科転院。ステロイドパルス療法で解熱したが4日後に発熱、発疹、硬性浮腫で再燃。2クールめを行なうも3日後に再燃。血漿交換3日間で症状は消失したが終了4日目より再び発熱、発疹をきたした。IVGG、ステロイドパルス療法を追加するも効果なく、49病日にCyclosporine
(CyA)静注を併用したところ速やかに解熱し発疹も消失した。その後再燃はなくステロイド内服も漸減中止が可能だった。難治性の川崎病には、IVGG追加、ステロイド、血漿交換等が行われているが、本例での効果はいずれも一時的だった。Ramanらは再発した3才の川病患児にCyAが有用だったと報告している。本例もCyAが著効したが、白血球数高値
(28,800〜44,400)、血小板増多 (78万〜127万)が持続したのが特徴で、Ramanらの症例も同様であったのは興味深いことと考えられた。
キーワード:難治性川崎病、Cyclosporine、血漿交換 |
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23年後に再発した川崎病の一例
銚子市立総合病院小児科 久保田茂樹 中川万樹夫 似鳥嘉一
日本大学医学部小児科 鮎沢 衛 唐澤賢祐 原田研介 |
【目的】川崎病の再発は通常小児期に限ると考えられているが成人での再発した例を経験したので報告する。
【症例】24歳男性。1歳9ヶ月で川崎病に罹患し、冠動脈障害を認めず、小学校入学時にフォローを終了した。今回、発熱と全身倦怠感を認め、翌日に右下腹部痛を訴え、3病日に39度台に発熱し、腹痛が増悪し、手指に発疹も認めたため、近医で急性虫垂炎と薬疹を疑われて当院の外科へ紹介され入院した。体温38.6℃、血圧122/70mmHg、脈拍90/分、両眼球結膜充血、口腔内発赤、顔面、四肢末端に紅斑を認める。右下腹部に圧痛を認めるが、腹膜刺激症状なし。頚部リンパ節は触知せず。入院時検査はWBC
10,300、Ht 42.3%、血小板 10.2万、CRP 19.5mg/dl、GOT 103、GPT 112、T-bil
1.5、D-bil 1.1。細菌学的検査や主な感染症の抗体価検査で診断に至らず、症状から川崎病と診断し、5病日からガンマグロブリン静注を3日間行い、16病日から解熱し19病日頃から膜様落屑を認めた。Multi
slice CTにより冠動脈に異常を認めていない。
【考察】過去にも年長児で腹部症状が再発時の初発症状であった川崎病が報告されているが、本例は再発までの間隔が最長と思われる。
キーワード:再発,成人例、腹部症状 |
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再受診した追跡脱落4例の臨床像
| 近畿大学小児科 篠原 徹 福田 毅 三宅俊治 |
後遺症を持ち、投薬が必要でありながら追跡から脱落する問題例が存在することが知られている。最近続けて一旦脱落したがそれぞれの理由から再受診し、これを契機に再造影を実施した4例を経験したのでその臨床像を報告する。1)4例のうち1例はすでに死亡した。3例の現年齢は27歳から30歳。2)16歳から24歳で脱落し、平均6年11か月後に再受診した。受診の理由は、心臓が止まる感じ、胸痛、妊娠、何となく心配になって、と様々であった。3)造影所見を最重症病変で代表させると、閉塞が2例、動脈瘤が2例であり、閉塞の1例は虚血性心筋症像を呈した。本例は追跡再開後7か月で突然死した。4)死亡1例を除く3例中2例は再び脱落している。5)この4例を通しての結論は、(1)再受診例の脱落時年齢は高い傾向にある、(2)脱落例は再受診してもやはり脱落しやすい、(3)脱落することで予後が大きく変わる症例が存在する、などである。
キーワード:追跡脱落例、突然死、冠状動脈閉塞 |
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遠隔期に死亡した川崎病の2例
| 近畿大学心臓小児科 福田 毅 篠原 徹 三宅俊治 |
川崎病遠隔期に死亡した2例を報告する。
【症例1】26歳男性。2歳2カ月時川崎病罹患。小学校1年時の学校検診で、川崎病既往のため当院紹介。心エコーで冠動脈瘤を認め、ひき続き実施された冠動脈造影で、seg1の閉塞、seg5,6,11の冠動脈瘤を確認した。12歳時の冠動脈造影でseg6に90%狭窄が出現したため、冠動脈バイパス手術を施行した。社会人になり、外来受診の間隔は延び気味であった。26歳時、会社の出先で倒れ、救急病院を受診したが死亡した。死亡する3カ月前を最後に外来を受診していなかった。
【症例2】28歳男性。9歳時川崎病罹患。29病日、10歳時に心筋梗塞を発症。10歳時の冠動脈造影でseg1、seg7に冠動脈閉塞を認めた。20歳頃から、怠薬が著明となり28歳時、出張先で倒れ、救急病院に運ばれたが蘇生に反応せず、死亡した。外来最終受診は死亡5日前であった。
キーワード:川崎病、遠隔期死亡、怠薬 |
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