川崎病冠動脈障害に対するCABG全国調査(2002)から
国立循環器病センター小児科 津田悦子 越後茂之
国立循環器病センター心臓外科 北村惣一郎 |
日本胸部外科学会の承認を得て、川崎病冠動脈障害に対するCABG全国調査(2002)を施行した(北村)。結果について報告する。調査用紙を552施設に送付し、回収323(59%)で、CABG施行は54施設、267症例(男204 女63)であった。手術年代は70年7、80年83、90年141、2000年36で、年間約15-20症例施行されていた。手術時年齢は10歳未満96、10歳以上20歳未満115、20歳以上30歳未満33、30歳以上23であった。再手術例15(6%)、死亡例14(5%)で、死亡例のうち突然死は8であった。川崎病既往は231(87%)で、発症年代は、50年3、
60年6、70年65、80年124、90年以降32であった。CABGは一枝98、二枝118、三枝以上51で、グラフトは内胸動脈(ITA)341、大伏在静脈(SVG)97、胃大網動脈40、橈骨動脈12、その他5であった。90年以降は動脈グラフトが主体となった。ITAの15年開存率70%で、SVGは48%であった。
キーワード:川崎病,CABG,冠動脈障害 |
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川崎病冠動脈障害に対するCABG術前後の左前下行枝狭窄部の血流速度の変化
-経胸壁エコーによる測定-
国立循環器病センター小児科 津田悦子 藤田秀樹 小野安生 越後茂之
国立循環器病センター心臓外科 北村惣一郎 |
川崎病冠動脈障害においてCABG術前後に経胸壁エコー(TTE)を用いて左前下行枝狭窄部の血流速度(Peak
V)の変化を測定した。内胸同脈(ITA)グラフトは良好に開存していた。
【症例1】10歳女児。診断は右冠動脈セグメント狭窄(RCA SS)、左前下行枝局所性狭窄(LAD LS)、瘤で、
LITA- LAD吻合術が施行された。TTEでの計測では、狭窄部は1.8mmで、Peak Vは術前2.79m/s (圧較差;PG
31mmHg)、術後18 1.60m/s (PG11)、術後4カ月0.47m/s(PG0.9)であった。
【症例2】7歳男児。診断はRCA SS、LAD LS、瘤、左回旋枝(LCX) LSで、RITA-LAD、LITA-LCX吻合術が施行された。TTEでは、狭窄部は2.0mmで、Peak
Vは術前1.03m/s (PG 4)、術後0.11m/s (PG 0.4)であった。
CABG前後でPeak Vは低下した。2症例において、術前のCAGで、狭窄部遠位の瘤の増大がみられており、原因として、狭窄部遠位の冠動脈壁の障害と狭窄部におけるPeak
Vの増加が推定される。
キーワード:経胸壁エコー、川崎病冠動脈障害、CABG |
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川崎病冠状動脈病変に対するカテーテル治療:不成功症例の検討
| 久留米大学小児科 石井正浩 上野高史 菅原洋子 赤木禎治 加藤裕久 松石豊次郎 |
2歳から24歳の23人の川崎病患者の24狭窄病変に対してカテーテル治療(percutaneous
coronary intervention; PCI)を行った。経皮的バルーン血管形成術 (PBA)が5部位、ステント植え込み術が7部位、ロータブレーター(PTCRA)が10部位、PTCRAとステント植え込み術の併用が2部位である。急性期のPCIの不成功例は、PBAで1例、ステント植え込み術で1例、PTCRAで1例である(12.5%)。急性期(4カ月)にPBAを施行した2例(9%)に再狭窄を認めた。治療より3年以上経過した15症例中2症例で再狭窄を認めた(13%)。最終的に再狭窄を含む7例(30%)の患児がPCIの不成功例であった。4症例に対して冠動脈バイパス手術(CABG)を施行した(17.3%)。また、新生動脈瘤は4例に生じた(17.3%)。これらPCIの不成功例に対する詳細な検討を報告する。
キーワード:カテーテル治療、川崎病、ロータブレーター |
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学校心臓検診から見た川崎病遠隔期管理の実態
日本大学医学部小児科 鮎沢 衛 金丸 浩 唐澤賢祐 原田研介
東京都予防医学協会 浦 清 山内邦昭 |
【目的】川崎病患児の遠隔期における管理方法が議論されているが、現在の状況は必ずしも明確ではない。学校心臓検診の調査票をもとに、既往者の管理状況を検討した。
【方法】平成13年度の東京都における小学校1年生(小)、中学校1年生(中)を対象とする学校心臓検診の調査票から、既往者の割合、心合併症とくに心エコーの結果の認識度、後遺症のフォロー間隔、後遺症がない者の定期受診状況を調べた。
【成績】既往者の割合は小0.81%中0.62%、そのうち心エコー所見に異常がある者と異常が正常化した者の割合はともに小3.1%、中2.3%であり、正常が小86.7%、中85.9%、不明、無記入が小7.1%、中9.5%であった。心エコー正常とされた者の中で定期受診は不要と認識している者は小13.1%、中32.8%であった。
【結論】遠隔期のフォロー方法は多様でありガイドラインなどの整備が必要であると思われた。
キーワード:遠隔期、学校心臓検診、長期フォロー |
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