川崎病診断前の薬剤歴:多施設研究
千葉大学小児病態学 寺井 勝
防衛医科大学小児科 竹下誠一郎
千葉市立海浜病院小児科 地引利昭
旭中央病院小児科 本多昭仁
自治医科大学保健科学 中村好一
多施設研究グループ |
【目的】70年代の川崎病(KD)発生数と抗生物質生産量の類似性が当時の厚生省研究班から報告されているが、その後、医薬品とKDの関連を検討した報告は少ない。
【方法】症例対照研究を01年12月より前方視的に多施設にて行った。対照は同施設内の基礎疾患のない発熱疾患とし、対象となるKDの入院後に年齢・性がマッチした最初の入院例とした。KD入院後2ヵ月以内に対照がマッチしない場合、そのKD例は解析から除外した。現時点で43組の症例対照を集積した。
【結果】対照は肺炎、胃腸炎、UTIなどであった。両群の入院病日に差はなかった。発熱から入院までの抗生物質の服薬頻度がKD群で高かった(p=0.01,
odds ratio 2.91)。解熱剤も同様だった。発症1ヵ月前から発症までの期間はこれらの服薬頻度に差はなかった。
【結語】現時点では症例数が少なく、更に症例を重ねることで医薬品を含む環境因子も解析していきたい。
キーワード:医薬品、血管炎、抗生物質 |
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川崎病とChlamydia pneumoniae 感染の関係
| 久留米大学小児科 江上公康 石井正浩 牟田広実 菅原洋子 赤木禎治 松石豊次郎 |
【背景】我々は川崎病の発症におけるChlamydia pneumoniae(以下Ch.pn)感染の有無を血清学的に検討した。
【方法】当院に1999年から2001年に川崎病にて入院した患児のうちγ-globulin(以下γ-glb)未投与例40人から、急性期(γ-glb投与前)、回復期(1カ月後)に血清を採取しそれぞれCh.pn
IgG,IgAを測定した。
【結果】40例中、病初期にCh.pn IgGの上昇していたのは6例(15%)で健常乳幼児におけるCh.pn
IgG抗体陽性率(6.7%)に比べ高率であった。Ch.pn IgG,IgAが上昇している者で、エコー上冠動脈瘤を形成した例はなかった。Ch.pn抗体価上昇と冠状動脈瘤発生には有意な関係にはなかった。しかし、Ch.pn
IgGが上昇していた6例中3例(50%)はγ-glb不応例であり、一般的なγ-glb不応例発生率(13.2%)に比べ高率であった。
【結語】川崎病とCh.pn感染の関係を調べたが、川崎病の病因と断定することはできなかった。しかし、Ch.pn感染の既往のある者はγ-glb不応例が多くみられた。
キーワード:クラミジア、ガンマグロブリン、冠状動脈瘤 |
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川崎病におけるMxA蛋白−川崎病はウィルス感染症か−
日本赤十字社医療センター小児科 土屋恵司 安川久美 麻生誠二郎 今田義夫 薗部友良
東京大学医科学研究所小児科 真部 淳 |
【目的】川崎病におけるウィルス感染の関与の有無について検討する。
【方法】対象は川崎病急性期の12例。対照はウィルス感染と思われた4例。患児の末梢血液2mlを用いて、単核球をINF-α:1000U/ml添加あるいは非添加にて4-12時間培養。MxA蛋白を抗ヒトMxA抗体にて細胞質内染色し、フローサイトメトリーを用いて検出した。
【成績】川崎病例においては、12例中10例でMxA蛋白は陰性であった。対照群では4例全てMxA蛋白は陽性であった。
【結論】MxA蛋白はINF-inducible proteinの一つで抗ウィルス作用を有し、内因性INF産生の指標となる。MxA蛋白の発現によりウィルス感染の関与の有無を推定できるとされている。川崎病におけるMxA蛋白の存在の有無についての報告は過去に例がない。結果は川崎病急性期12例中10例(83%)においてMxA蛋白は検出されず、川崎病におけるウィルス感染の関与の可能性は低いと考えられた。
キーワード:川崎病、ウィルス感染、MxA蛋白 |
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