川崎病親子例の疫学特性
自治医科大学公衆衛生学:○上原里程、大木いずみ、屋代真弓、中村好一 埼玉県立大学:柳川 洋 |
【目的】 第17回川崎病全国調査では、第16回調査と同様に両親の川崎病既往歴について設問した。親子例と報告された例について詳細な情報を収集するために追加調査を実施し、既往が確認された例の疫学特性を観察した。 【方法】 第17回全国調査で両親に川崎病の既往ありと報告のあった医療機関に対して追加調査を実施した。追加調査への回答をもとに過去の全国調査結果と照合し、照合できた例を既往確実例とした。 【成績】2003年7月8日現在、32例の親子例(父14人、母18人)が報告された。このうち29例について追加調査の回答が得られた(91%)。過去の全国調査結果と照合できたのは8例、照合できなかったが川崎病で長期通院していたという主治医のコメントから既往が確実であったのが1例であり、既往確実例は9例(29例のうちの31%)であった。これら既往が確実である親と患児について、疫学特性を示す予定である。 キーワード: |
|
|
同時期に発症した川崎病母児例
広島市立広島市民病院小児循環器科: ○木口久子、鎌田政博、木村健秀、岡崎富男 |
今回我々は同時期に川崎病を発症した母児例を経験したので報告する。 (症例1)3ヶ月男児。主要症状5/6で川崎病と診断。アスピリン内服、ウリナスタチン静注、ガンマグロブリン大量療法を行い、冠動脈病変をきたさず症状は改善した。 (症例2)症例1の母である23歳女性。2日遅れで発熱、その後、発疹、下腿浮腫、頸部リンパ節腫脹が出現した。内科で抗生剤を投与されていたが、CRPは16.6mg/dlと高値で症状も川崎病に類似していたため、4病日に心エコー検査を行った。冠動脈病変はなかったが、中等度の僧帽弁逆流と軽度の大動脈弁逆流を認めた。7病日に膜様落屑が出現したため川崎病としてアスピリン内服を開始した。11病日の心エコー検査では弁の逆流は改善していたが軽度の冠動脈拡張を認めた。細菌培養、エルシニア・各種ウイルス血清抗体、ウイルス分離は陰性だった。 これまでに同時期に発症した親子例の報告はなく貴重な症例と考えられた。 キーワード: |
|
|
花粉の大量飛散により、アレルギー体質の乳幼児は、川崎病を発症し、 アレルギー体 質の年長者は、花粉症を発症する。 …川崎病の病因
科学技術振興事業団: ○粟屋 昭 東邦大学薬学部:佐橋紀男 |
著者は、ほくろ形成体質は花粉症等アレルギー疾患抵抗性の表現形質であることを昨年、報告した。川崎富作は、川崎病を発見し、1962年の学会で報告した。斎藤洋三は日光で、1963年にスギ花粉症を発見し学会報告した。著者は、両疾患とも、日本においてほぼ同時期に発見され、患者数は今日までともに増加の一途をたどる日本固有の風土病で、川崎病の発症と花粉症の発症との間に何か因果関係があると考えてきた。川崎病の大量発症による患者数の’79年、’82年、’85〜’86年の3つのpeakは、著者に決め手になるヒントを与えた。’81年以前から観測されてある全国8地点のスギ等の花粉の飛散数dataの恵与を受け、グラフ化し、川崎病患者数の年次推移と比較した。15,000人以上の最大患者数が出た’82年にはそれ以前に比べ、最大の花粉飛散数が観測されていた。他の2つの患者数のpeakと一致して、花粉飛散数のpeakや高原状態が見られた。この知見は川崎病の病因解明の第1歩となろう。 キーワード: |
|
|
 |