急性期川崎病児における血中BNPと左室拡張能との関係
大阪大学大学院医学研究科小児科:○黒飛俊二、大薗恵一
市立豊中病院小児科:最上友紀子、川上展弘、清水一男
急性期川崎病(KD)患者において血中BNPが上昇するが、左室収縮能との関係を認めないと報告されている。
目的:KD患者において左室拡張能を評価しBNPとの関係を検討する。
方法:昨年1月よりKDで入院し、左室収縮が保たれた(EF>60%)30例(2.1+/-1.5歳)と年齢マッチさせた健康児をcontrolとした。治療開始前にBNPを測定後、Doppler法を用いて左室流入血流パターンを記録し、拡張早期最大血流速度(E)、心房収縮期最大血流速度(A)、E/A比、E波減速時間を測定した。
成績:入院時KDでは63%の例でBNP上昇があった。入院時KDではcontrolに比してAが有意に上昇する(p<0.01)ことにより、E/A比が低下することを認めた(p<0.05)。さらにE/AとBNPは負相関した(r=-0.77)。結論:KDでのBNP上昇には左室拡張能低下が関係していると考えられた。

キーワード:  川崎病 BNP 左室拡張能
川崎病γ-グロブリン治療前後における血中ANP、BNP値の推移
日本医科大学: ○初鹿野見春、勝部康弘、内木場庸子、上砂光裕、深澤隆治、小川俊一
【目的】ANP、BNPは近年川崎病急性期において有意な上昇を示すことが報告されている。今回γ-グロブリン治療の効果判定への応用について検討をおこなった。
【対象】当科にて川崎病と診断され、γ-グロブリン大量静注療法を行った患児10例(男児 5例、女児 5例、平均年齢 1歳4ヶ月;4ヶ月〜2歳0ヶ月)。
【方法】γ-グロブリン(400mg/kg/day×5日間)投与前と、投与終了翌日に血中ANP、BNP値を測定。
【結果】投与前・後でのANP値(正常値 40 pg/ml以下)はそれぞれ(M±SE)96.6±13.0、40.9±7.0 、BNP値(正常値 20 pg/ml以下)はそれぞれ86.8±16.5、19.2±6.6であった。
【結語】1.川崎病急性期には血中ANP、BNP値に有意な上昇を認めた。2.γ-グロブリン大量療法によってANP、BNP値は速やかに低下した。


キーワード:  ANP BNP γ-グロブリン
川崎病罹患時の尿中β2マイクログロブリン、
D−dimer、フェリチンと重症度の関係についての検討
岡崎市民病院小児科: ○長井典子、瀧本洋一、永田佳恵、早川文雄
川崎病では、マクロファージやリンパ球などが活性化され、様々なサイトカインなどが上昇することが知られているが、一般臨床の場で、それらのサイトカインを即時に測定することは困難である。
今回、我々はそれらを間接的に知る方法として、尿中β2マイクログロブリン(尿中β2MG)、D-dimer(DD)、フェリチンを測定し、川崎病の重症度と関連するかどうか調べた。
対象は最近4年間の川崎病患児のうち、γグロブリン治療前に尿中β2MG、DD、フェリチンの測定ができた116例である。A群:γグロブリン1g/kg以下で解熱した群、B群:2g/kgで解熱した群、C群:3g/kg以上必要とした群の3群に分けて検討した。
結果、フェリチンは3群間に有意差を認めなかったが、尿中β2MG,DDは有意にC群で高く、A群で低かった。同様の傾向はCRPにも認められたが、有意差はやや低かった。
「結論」尿中β2MG,DDは川崎病の重症度の推測に有効である可能性がある。

キーワード:  尿中β2マイクログロブリン D-dimer フェリチン