エンテロウイルス71感染による手足口病に続発した川崎病の一例
神鋼加古川病院小児科:○吉田 茂、橋本 裕美、楢林 成之、三舛 信一郎 |
症例は10ヶ月女児。2000年7月21日より発熱および四肢末端に小水疱を認め手足口病と診断される。24日は解熱していたが、25日より再び発熱を認め、26日には全身に不定型発赤疹およびBCG接種部位の発赤腫脹を認め川崎病を疑われ入院となる。入院時は、口唇発赤、発疹、手足の発赤浮腫、発熱のみであった。四肢末端には手足口病に典型的な小水疱と手掌紅斑および浮腫が混在していた。血液検査にて、WBC 23300、CRP 7.4、ESR 68 mm/1hであった。川崎病を強く疑いウリナスタチン5000単位/kg×6回/日を開始したが第7病日の時点で解熱せずガンマグロブリン1g/kg/日を併用し速やかに解熱した。経過中、眼球結膜充血、手足の膜様落屑を認め確診例となった。入院時の便にてPCR法によりエンテロウイルス71(EV71)ゲノムを検出した。同時期流行していたEV71感染による中枢神経症状を伴う手足口病の症例に比べ、RT-PCRの段階(1st)で明瞭なバンドが得られウイルスコピー数の増加が示唆された。 キーワード: 川崎病 手足口病 エンテロウイルス71 |
|
|
腋窩及び鎖骨下動脈瘤を合併した川崎病の一例
社会保険中京病院小児循環器科: ○牛田 肇、松島正氣、西川 浩、加藤太一 犬山中央病院小児科: 榊原吉峰 |
腋窩・鎖骨下動脈瘤は川崎病において約3%に経験する合併症であるが冠動脈瘤に比べその予後に関する報告は少ない。今回我々は腋窩及び鎖骨下動脈瘤を合併し経過中瘤内血栓を認めた川崎病の一症例を経験した。生後2ヶ月時に川崎病に罹患し重症の経過をとりガンマグロブリン合計5g/kg、ステロイドパルス療法などを行い冠動脈の拡張も認めた。発症から11ヶ月後に偶然に右腋窩動脈瘤を発見した。1歳11ヶ月時の心臓カテーテル検査では#1に径3mmの紡錘状の瘤を認め#5は径4.3mmで全体に拡張していた。右鎖骨下動脈に21.5×12.5mm、右腋窩動脈に12.0×6.0mm、17.5×11.5mmと合計3個の動脈瘤を認め左鎖骨下動脈に6.3mm、左腋窩動脈に5.0mmの拡張を認めた。2歳9ヶ月時の心臓カテーテル検査で右鎖骨下動脈瘤内に血栓形成を認めた。現在のところ無症状であるが過去の自験例などとあわせてその予後について文献的考察を加え検討した。 キーワード: 川崎病 腋窩・鎖骨下動脈瘤 瘤内血栓 |
|
|
出産を経験した川崎病巨大冠動脈瘤の1例
東京慈恵会医科大学小児科: ○藤原優子、寺野和宏、浦島 崇、布山裕一、斉藤亮太、衛藤義勝 |
1983年5才時に川崎病に罹患、アスピリン治療し急性時心エコーでは冠動脈の異常なしとされていた。1989年、心エコー検査にて冠動脈瘤を認め本院紹介、1991年に心カテーテル検査を行い、左巨大冠動脈瘤と診断した。アスピリン・ジピリダモールで管理を行っていたが、97年より受診されなかった。処方は近医に依頼し、内服はされていた。結婚を期に内服を半年怠薬、妊娠6週に3年ぶりに受診された。97年に行われた心筋シンチグラフィでは血流の異常は認めなかった。妊娠中のためアイソトープ検査は施行できず、妊娠中期の心臓カテーテル検査を勧めるも拒否、狭窄・心筋虚血の評価ができないため、分娩形式は帝王切開を選択、麻酔科・循環器内科・心臓外科のバックアップ下、在胎33週に出産に至った。出産後、ACT200秒を目標にヘパリンコントロールを行い、母乳投与中はWarfarin投与を行った。 キーワード: 冠動脈瘤 出産 抗凝固療法 |
|
|
胸部レントゲン上粟粒陰影を呈した川崎病の1症例
東京都立清瀬小児病院内科:○金堀瑞穂、大木寛生、菅谷明則、佐藤正昭 ノースウェスタン大学医学部小児科:三浦 大 |
近年、胸部レントゲン(Xp)上、結節性陰影を呈する川崎病の報告例が散見される。われわれは、肺の粟粒陰影と意識障害のため、粟粒結核との鑑別を要した川崎病の一例を経験した。 【症例】1歳男児。発熱3日目に意識障害が出現し入院した。傾眠傾向、眼球充血、口唇発赤、胸部Xp上粟粒陰影を認めた。髄液細胞数137/mm3(L/N=13:1)、蛋白153mg/dlと上昇し、脳波は徐波傾向であった。粟粒結核、結核性髄膜炎を考え抗結核剤などを開始したが、発熱、意識障害は持続した。6病日までに四肢末端の硬性浮腫、発疹、BCG部位の発赤が加わり、川崎病と診断した。ガンマグロブリン療法が有効で、意識レベルは徐々に改善し、粟粒陰影も13病日に改善をみた。冠動脈病変は生じなかった。 【考察】胸部X-p上粟粒陰影を示す疾患として、川崎病も考慮する必要がある。炎症細胞の浸潤が両側肺に瀰漫性に生じた可能性も考えられた。 キーワード: 川崎病 粟粒陰影 意識障害 |
|
|
明らかな川崎病の既往はないが、 両側巨大冠動脈瘤閉塞により、陳旧性心筋梗塞、 心不全を合併しCABGが奏功した1例
日本医科大学小児科: ○池上 英、渡邉 美紀、内木場 庸子、上砂 光裕、深澤 隆治、小川 俊一 |
<症例>12歳 男児。平成14年11月末より胸痛、嘔吐、発熱があり、近医にて胃腸炎の診断で加療されていたが、心筋炎を疑われ他院を紹介。両側冠動脈瘤と左室運動能の低下、心筋の菲薄化が見られ、陳旧性心筋梗塞の診断にて当院に紹介となった。 <既往歴>川崎病なし。ただ平成13年11月に右頸部腫脹と10日間の発熱があった。 <経過>心電図、超音波検査、カテーテル検査より両側巨大冠動脈瘤の閉塞(LAD、RCA)による発症2か月程度の陳旧性心筋梗塞と考え、トレッドミル、心筋シンチにより虚血が示唆されたため、CABGを施行した。術直後の心機能は術前と変わらずLVEF は26%であったがその後、心不全の治療にあわせて、運動ヘパリン療法を行い経過を観察したところ3ヶ月後のLVEFは 40%と改善を示した。 <結語>本症例は明らかな川崎病の既往がないにも関わらず、両側巨大冠動脈瘤閉塞により心筋梗塞、心不全を発症し、その診断までに長い経過を要した。しかしCABGを含む積極的な治療により心血行動態の改善が認められた。 キーワード: 巨大冠動脈瘤 心筋梗塞 CABG |
|
|
 |