川崎病における免疫グロブリン療法後の遺伝子発現パターンの網羅的解析
国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部:○阿部 淳、中島敏明、斎藤博久 千葉市立海浜病院小児科:地引利昭 千葉大学小児病態学:寺井 勝 東京都立八王子小児病院:野間清司 |
【目的】免疫グロブリン療法によって発現パターンが変動する遺伝子を同定することを目的としてDNAチップ解析を行った。 【方法】急性期患者の末梢血単核球からRNAを抽出し、Affymetrix社のGeneChipを用いて発現量を測定した。一部の患者では、単球とT細胞を分離して同様の解析を行った。細胞表面蛋白の発現はフローサイトメトリーで測定した。 【結果と考察】免疫グロブリン療法後に有意に発現の減少(0.5倍以下)した遺伝子を87個同定した。このうち34個は主として単球で、14個は主としてT細胞での発現が減少していた。機能別分類では、細胞表面のシグナル受容体や分泌型の生体防御ペプチドの遺伝子が多く含まれていた。一部の遺伝子についてはRT-PCRと免疫染色で発現低下を確認した。今後、これらの遺伝子と川崎病の病態との関連や、免疫グロブリン療法による発現減少の分子機構について調べる予定である。 キーワード: 遺伝子発現 DNAチップ 免疫グロブリン |
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Gene chipを用いた川崎病関連遺伝子の検討
久留米大学小児科:○江上公康、石井正浩、古井 潤、牟田広実、赤木禎治、松石豊次郎 |
背景:冠動脈瘤の発生は疫学的背景から遺伝的要因の関与が示唆される報告がある。川崎病の病因は不明だが,冠動脈瘤を発生する群とそうでない群が存在している。 目的:今回我々は,Affymetrix社のGene Chipシステムを用いて遠隔期川崎病既往児の遺伝子発現の差異を検討した。 方法:対象は冠動脈病変を合併した川崎病既往児(Cal)3名、冠動脈病変のない川崎病既往児(no Cal)2名、Control2名の末梢血単核球より得られたRNAサンプルを用いて遺伝子発現プロファイルを解析した。遺伝子発現の差異は1.5倍以上を有意とした。 結果:川崎病群とControl群間で遺伝子発現の差異が認められたものは12000個の遺伝子の内11個,Cal群と no Cal群間で10個であった.その中で川崎病群、Control群の比較では血管内皮、平滑筋に関与する遺伝子が,no Cal群,Cal群では,IgD、T細胞,血管新生に関する遺伝子が検出された。以上より川崎病の病態,冠動脈瘤発生において遺伝的な要因が関与している可能性が示唆された。 キーワード:Gene chip 遺伝子 冠動脈瘤 |
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川崎病における血小板活性化因子分解酵素の遺伝子多型の検討
和歌山県立医科大学小児科: ○南 孝臣、鈴木啓之、武内 崇、上村 茂、吉川徳茂 紀南綜合病院小児科: 渋田昌一 |
背景:血小板活性化因子(PAF)は血小板活性化作用の他に、好中球やマクロファージなどの炎症惹起細胞の活性化、補体の活性化等の多様な作用を有し、川崎病血管炎発症進展への関与が推測される。PAFの濃度はPAF分解酵素(PAFAH)により厳密に規定されている。PAFAHの遺伝子多型(Val279Phe等)により活性が低下することが報告されている。今回我々は、川崎病におけるPAFAHの遺伝子多型を検討したので報告する。対象:両親から同意の得られた川崎病既往患者89名と健康成人32名。 方法:末梢血白血球からDNAを抽出し、目的とする部位(Val279Phe,Arg92His,Ala379Val)をPCR法で増幅し、検討した。 結果:3ヶ所ともに冠動脈病変との有意な相関は得られなかった。 考察:好中球・血小板数の推移、免疫グロブリン療法に対する反応など臨床上のパラメータとの検討結果も合わせて報告する。 キーワード: PAFAH 遺伝子多型 川崎病 |
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川崎病急性期におけるIL-6およびsoluble IL-2 receptor(sIL-2R)に関する検討
岡崎市民病院小児科: ○瀧本 洋一、近藤 勝、長井 典子、早川 文雄 |
【背景】近年、川崎病でのcytokines動態が注目されている。 【目的】川崎病急性期のIL-6 および sIL-2Rと臨床経過・各種検査値との関連を明らかにする。 【対象・方法】対象は2003年1月〜6月の間に当院で川崎病と診断した20例。年齢:2.2±1.6歳(3ヶ月〜6歳)、男:女=12:8、16例(G群)にガンマグログリン大量療法(IVGG) 施行し、IVGG前・後の値を比較検討。 【結果】sIL-2Rは診断時白血球数(R=0.58)や最高血小板数(R=0.67)と正の相関を示したが、IL-6は各検査値と有意な相関を認めず。G群:IVGG後、IL-6は急速に・sIL-2Rはやや緩徐に有意な低下を示した。6症状(+)症例でIL-6は有意に高く(105±77 vs 50±20)、IVGG前体温≧39℃の症例はIL-6(99±61 vs 50±21)・sIL-2R(2878±1178 vs 1767±756)が高い傾向にあった。 【考案】IL-6・sIL-2Rは発熱など臨床症状と関連し、急性期の病勢評価の新たな指標になり得る可能性があると考えられた。 キーワード: 川崎病 IL-6 sIL-2R |
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