C-C Chemokine receptor 2(CCR2)遺伝子多型Val64Ileと冠動脈石灰化の関係
日本医科大学小児科:○上砂光裕、深澤隆治、池上 英、初鹿野見春、勝部康弘、小川俊一
【目的】Monocyte chemotactic protein(MCP1)とそのリセプターであるC-C Chemokine receptor 2(CCR2)は動脈硬化の過程で重要な役割を担う。CCR2の遺伝子多型(Val64Ile)と、冠動脈硬化の指標である冠動脈石灰化の減少の関連が報告された。今回我々は川崎病における冠動脈石灰化とこのCCR2遺伝子多型の関係について検討した。
【対象・方法】対象は発症より4年以上経過した川崎病53例で、CAG、IVUSの結果をもとに石灰化(+)28例、(−)25例に分類した(健常対照145例)。末梢血DNA を鋳型にPCRで増幅し、RFLPを用いて多型の有無を調べた。
【結果】V/V allelesの頻度;健常対照群58.1%, 石灰化(+)群77.8%,石灰化(-)群55.6%、Odds ratio 2.8 (95%CI:1.09-7.19,p=0032)
【結語】CCR2 V/V allelesを有する症例で冠動脈病変を有する際には、特に石灰化の出現にも留意すべきである。

キーワード:  C-C Chemokine receptor 2(CCR2) 冠動脈石灰化 遺伝子多型
川崎病末梢血単核球におけるToll-like receptorの発現について
東邦大学医学部第二小児科: ○二瓶浩一、四宮範明、青木継稔
【緒言】近年、生体防御に必要な分子としてToll-like receptor (TLR) が注目されている。ヒトにおいては、現在10種類のTLRがクローニングされ、各TLRは外来異物から特定のリガンドを認識し、リンパ球系と結びついた防御系に作用すると考えられている。川崎病患者末梢血単核球TLRmRNA発現レパートリーの検討は、川崎病の免疫機構活性化の解明に役立つ可能性がある。
【方法】対象は川崎病患児7名。発病初期の末梢血単核球を分離し、RT-PCR法を用いてTLRmRNA発現レパートリーについて検討した。健康乳幼児を対象とした。
【成績】川崎病急性期患児7名中5名において、TLR5mRNAの強い発現を認めた。TLR4のmRNAの発現は1名に認めるのみであった。TLR2mRNAは3名に発現していた。
【考察】TLR4の認識分子はリポ多糖体や熱ショック蛋白などが知られているが、今回の検討からは川崎病急性期における発現は確認できなかった。今回、最も発現していたのはTLR5mRNAであった。TLR5に刺激活性を有するのは、主にグラム陰性菌が有する鞭毛成分であるFlagellinが現在知られており、興味深い所見と思われた。

キーワード:  川崎病 病態 Toll-like receptor
川崎病急性期における単球表面CCR2発現とHO-1産生
金沢大学大学院医学系研究科小児科学:○水野和徳、太田邦雄、東馬智子、笠原善仁、小泉晶一
金沢大学医学部保健学科: 谷内江昭宏
【背景と目的】CCR2は炎症局所への単球集積に関与するMCP-1の受容体であり、炎症性血管病変との関連が示唆されている。本研究では、川崎病における単球活性化の意義を明らかにする目的で、CCR2発現と炎症抑制蛋白であるへムオキシゲナーゼ1(HO-1)産生との関連を検討した。
【方法】正常対照、川崎病、インフルエンザ患者を対象とした。単球表面抗原発現はFCMにより評価した。HO-1産生はreal time PCR法により定量、細胞亜群によるHO-1産生の差はFCMにより比較した
【結果と考察】インフルエンザでは川崎病に比しCD16+CCR2-単球が著明に増加していた。末梢血単核球によるHO-1産生はインフルエンザに比し川崎病では低値を示した。正常対照、川崎病いずれにおいてもCD16+CCR2-単球が選択的にHO-1を産生、川崎病における血管病変形成にこの分画が重要な調節機能を果たすことが示唆された。

キーワード:  単球 CCR2 HO-1