川崎病急性期におけるガンマグロブリン投与方法について -1日投与量による治療効果の検討-
京都第二赤十字病院小児科:○伊藤陽里、清澤伸幸 |
我々は川崎病病初期のサイトカインの変動を解析し、ガンマグロブリン(以下GL)400mg/kg×5日間投与群(以下A群)と2g/kg×1日投与群(以下B群)の治療効果を比較したので報告する。対象は当院の川崎病入院患者27名(男児14名、女児13名、平均月齢は23.2ヶ月)で全例第5病日以降にGL療法を施行した。投与方法は2群間で年齢、性別が均等になるように決定した。第3、第5、第7または8病日の3点でSIL2-Rを測定した。結果A群12名(男児6名、女児6名、平均月齢23.6ヶ月)、B群15名(男児8名、女児7名、平均月齢22.9ヶ月)で全例心臓後遺症は認めなかった。有熱期間の平均はA群6.8日、B群8.3日とA群の方が短かった。第5病日のSIL2-Rの値を基準値とした第7,8病日の低下率はA群0.72、B群0.59とB群のほうが低かった。一方、B群の4名(26.7%)で追加投与が必要だったが,A群では全例追加投与は不要であった。今回の解析においてA群、B群での治療効果に明らかな差は認めなかったが、病勢の強い症例の場合第5病日のみのGL投与では効果不十分であることが示唆された。 キーワード: ガンマグロブリン療法 1日投与量 サイトカイン |
|
|
川崎病に対するγグロブリン療法の開始時期 〜第5病日まで待機することへの問題点〜
広島市民病院小児循環器科: ○鎌田政博、木口久子、木村健城、岡崎富男 |
【背景】γグロブリン(以下γ)超大量療法を行う施設が増えているが、可及的早期に開始すべきか否か明らかでない。【目的】冠動脈瘤形成時期を後方視的に調査、γ開始時期に関して問題提起したい。 【対象・方法】1990年以降入院した川崎病348例に関して、瘤(≧4mm)形成時期を調査。 【結果】冠動脈瘤は16例(4.6%)に合併。第5病日までに2例(0.57%)、第6病日に1例が発見されていた。 【症例】2カ月女児。第3病日に川崎病疑いで入院。CRP 19.4mg/dl、心エコーでLCAに瘤(4mm)を認め、アスピリンとγ(400mg/kg/日5日)を開始。第7病日にはLCA5mmとなり発熱も持続するため、γを5日間追加投与した。第16病日、哺乳中に心停止。剖検では多発性動脈瘤と心筋炎の組織所見を認めた。 【結論】川崎病に対するγ投与時期を考えるとき、冠動脈瘤の早期形成例があることを認識しておく必要がある。 キーワード: 川崎病 冠動脈瘤 γグロブリン |
|
|
川崎病主要症状の出現頻度は変わったか? ―ガンマグロブリン投与例と非投与例との比較−
福岡大学医学部小児科: ○濱本 邦洋、吉兼 由佳子、田中 美紀、山口 覚 |
川崎病の主要症状の出現率を治療方法別に検討した。対象は1975年〜2002年までの358例中解析可能な266例で、A群:ガンマグロブリン非投与(56例)、B群:200〜400mg/kg×3〜5日投与(129例)、C群:1〜2g/kg×1〜2日投与( 81例)に分けて主要症状の出現率(%)を検討した。各郡間に重症度の差はなかった。発熱、発疹、硬性浮腫・紅斑の3項目は3郡間で有意差はなかった。眼球結膜充血、口唇口腔所見はA群(96%、95%)に比しC群(84%、80%)で有意に出現率の低下があった。頚部リンパ節腫脹はA群(73%)に比しB群(54%)およびC群(56%)で出現率の低下があった。また、膜様落屑はA群(94%)B群(91%)間に差はなかったがC群(70%)で有意に低い出現率であった。ガンマグロブリン療法が主要症状出現率低下に関与したと思われる。 キーワード: 主要症状 ガンマグロブリン 膜様落屑 |
|
|
γ−グロブリン投与中に低体温をきたした川崎病患児に関する検討
防衛医科大学校小児科: ○川村陽一、浅野 優、石渡隆寛、徳富智明、関根勇夫、野々山恵章 |
【目的】γ−グロブリン投与中の川崎病患児において、投与開始から数時間経過した後に低体温をきたす症例が存在する。今回、低体温をきたした患児の臨床像について検討したので報告する。 【方法】過去5年間に当院に入院した川崎病患児120例について、その臨床像を後方視的に検討した。 【成績】13例において投与中に低体温をきたした。ポリエチレングリコール処理製剤投与群で頻度が高い傾向にあり、その他、冬期に入院した症例、1歳前後の乳幼児例において高頻度に認められた。重症度、心後遺症の発生頻度とは関係なかった。 【結論】低体温発症の機序としてキニン系の関与が考えられている。γ−グロブリン製剤中のprekallikrein activator(PKA)活性の差が製剤間の発症頻度差に関与していると考えられた。また、投与開始後にショック症状を認めない症例においても、γ−グロブリン投与中は注意深い観察が必要である。 キーワード: 川崎病 γ−グロブリン 低体温 |
|
|
 |