川崎病のガンマグロブリン(IVGG)2g/Kg単回投与療法に対する不応例の危険因子の検討
東京都立清瀬小児病院循環器科:○菅谷明則、大木寛生、葭葉茂樹、佐藤正昭
ノースウエスタン大学医学部小児科:三浦 大
IVGG2g/Kg単回投与療法(IVGG2g)に不応で追加治療を要した川崎病症例の初回治療前の危険因子を検討した.
【方法】2001年1月から2003年6月に清瀬小児病院に入院しIVGG2gを行った川崎病症例をIVGG反応例と不応例にわけ,月齢,治療開始病日,IVGG投与量,IVGG前のWBC,好中球%,赤血球数,Hb,Ht,血小板,CRP,アルブミン,Na, K, 総ビリルビン(TB),GPTを検討した.
【成績】IVGG2gを行った178例中検討項目に欠損値のない142例を対象とした.単変量解析では好中球%,血小板,Na,TB,GOTに有意差を認め,多変量解析では血小板減少,低Na血症,高TB血症が不応例の危険因子であった.
【結論】冠動脈瘤は不応例に合併することが多く,これらの指標を利用し初期治療にIVGG以外の治療を追加し不応例を減少できるか検討する予定である.

キーワード:  川崎病 ガンマグロブリン療法 不応例
ガンマグロブリン不応例の早期評価法:開始前・直後でどこまで可能か
昭和大学横浜市北部病院: ○野中善治、曽我恭司
目的:ガンマグロブリン(GG)治療では治療開始後2日以内の不応例検出が望ましい。入院時・開始直前のデータ、開始直後2日以内でどのデータが予測に有用かを検討。
対象・方法:当院の入院患者全例の電子カルテからデータベースを作成し、発熱・治療内容等を加えて全体をを1ファイルとし検索を行った。検討項目は病日、性別、年齢、発熱、白血球数、好中球数、リンパ球数、桿状球数、Ht値、総蛋白、アルブミン、CRP、HDLコレステロール、Na値、GG値、など。GGの投与は400mg/Kgを5回とし、解熱反応など反応不良例では1g/Kgに、合計を2g/Kgとした。治療内容はアスピリンのみが7例、GGが47例、ウリナスタチン、ステロイド併用が2例。冠合併では瘤形成が2例。
結果:48時間以内に解熱の不良な例では治療前の検査データと直後(投与開始後48時間以内)に白血球数、好中球数、好中球%、網状球数、総蛋白、アルブミン、HDL、Na、CRPなどに一定の傾向が認められた。

キーワード:  ガンマグロブリン療法 不応例 冠動脈合併
川崎病でグロブリン投与を繰返しても解熱しない例についての治療戦略
名古屋第二赤十字病院小児科: ○岩佐充二、福田 革、佐野洋史、安藤恒三郎
グロブリン(GG)投与を繰返しても解熱しない例について検討した。94年6月から03年6月に8病日以内に入院し、グロブリン(GG)投与前に冠動脈障害 (CAL) を認めなかった定型例は307例で、その内ポリエチレングリコール処理GGを9病日以内に投与開始したのは201名であった。その内、発熱期間(37.5度以上)が8病日以内の例は155例で、3例にCAL(5歳女3.0mm, 9歳女4.3mm, 10歳女3.1mm)を認めた。発熱期間が9病日以上で、9病日の熱が38度未満の例は17例で、1例に3.4mmのCALを認めた。この例の9病日の熱は37.9度でCRPは6.92であった。発熱期間が9病日以上で、9病日の熱が38度以上の例は29例で、4例に3.1mmから3.4mmのCALを認めた。これら29例のうち9病日のCRPが15mg/dl以上の例は5例で、うち3例に9から10病日より血漿交換を行った。

キーワード:  川崎病 グロブリン不応 血漿交換
巨大冠動脈瘤を合併したγグロブリン不応性川崎病の再罹患例
東京慈恵会医科大学附属柏病院小児科: ○富川盛光、浦島 崇、寺野和宏、藤原優子、衞藤義勝
国立循環器病センター: 津田悦子
症例は4歳女児。2歳時に川崎病に罹患、静注用免疫グロブリン(以下:IVIG)大量療法にもかかわらず解熱に3ヶ月を要した。巨大冠動脈瘤が形成され、左前下降枝に狭窄を認め、心筋シンチグラム上も前壁の血流軽度低下の所見を認めたため、バイパス手術予定であった。4歳時に、再度川崎病に罹患、IVIG大量療法2クール施行したにもかかわらず、病状の改善が得られなかった。IVIG大量療法不応例で且つ巨大冠動脈瘤を合併していることから血漿交換療法を施行し、速やかに症状の改善を得た。巨大冠動脈瘤に関しては入院時に動脈瘤内にフラップを認めたが、血漿交換を施行しても心筋梗塞や狭心症などの症状を起こすことなく、またフラップも壁に吸収され再罹患前の冠動脈の状態と変化なく後遺症を抑えることができた。血漿交換療法はIVIG不応例の治療戦略の1法であると考えられた。

キーワード:  γグロブリン不応性川崎病再罹患 巨大冠動脈瘤 血漿交換療法