川崎病典型例の症状を呈したアデノウイルス3型感染症の1例
泉大津市立病院小児科 宮下律子 鈴木里衣子 花井直美 中西直之 水越真里
紀南総合病院小児科 津田佑子
和歌山県立医科大学小児科 南 孝臣 武内 崇 鈴木啓之 上村 茂 |
我々は平成14年4月から平成15年8月まで483例のアデノウイルス(以下AdV)感染症を経験した。うち37例に血球貪食症候群、熱性痙攣、筋炎、血小板減少、血管性紫斑病、血尿等の合併症がみられた。その中で今回川崎病典型症状を呈したAdV3型感染症の男子例を報告する。
症例5歳 男児 主訴 発熱 既往歴 気管支喘息 薬剤アレルギー 現病歴 平成15年6月30日から熱 咽頭痛 咳が出現。第4病日に体幹に発疹 イチゴ舌 頚部リンパ腺腫脹がみられ入院加療となった。入院時咽頭ぬぐい液チェックAd陽性であったためAdV感染症として経過観察したが、第5病日に川崎病5/6症状となりaspirin開始したが軽快せず 第7病日にγglobrin
1g×2日間施行後第9病日に解熱し、第10病日から膜様皮膚剥離がみられた。経過中冠動脈病変はなかった。入院時咽頭ぬぐい液よりAdV3型が分離され、中和抗体4>→32倍に上昇した。過去の川崎病典型症状を呈したAd3型感染症の報告は1例のみであった。
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アデノウイルス感染症流行期の川崎病
千葉市立海浜病院小児科
地引利昭 糸洲倫江 宇田川智宏 鈴木 悠 荻田純子 鈴木由美
久保田博昭 山口賢一 南谷幹史 黒崎知道 |
【目的】アデノウイルス感染症と川崎病の合併と異同について検討した。
【方法】2004年1月から8月の期間入院の川崎病に咽頭アデノウイルス抗原検査を施行した。同期間入院のアデノウイルス感染症患者の川崎病との異同について検討した。
【結果】34名の川崎病が入院し27名に入院時咽頭アデノウイルス抗原検査を施行した。このうち6月15日から7月2日の18日間の間に入院した3名が陽性であった。この3名はアデノウイルス感染症の既往歴はなく、いずれも川崎病の診断の手引きの5ないし6項目を満たし、回復期に手指の膜様落屑を呈した。同観察期間にアデノウイルス感染症患者は34名入院した。眼球結膜充血3名、頸部リンパ節腫脹9名、発疹3名を認めたが、同一患者で川崎病の診断の手引きの4項目以上を満たす症例は見られなかった。
【考察】アデノウイルス感染症の流行期に発症する川崎病はアデノウイルス感染症を合併する症例が含まれていると考えられた。
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ガンマグロブリン療法後に無菌性髄膜炎を発症した川崎病4例
東邦大学第一小児科 監物 靖 中島香織 池原 聡 高月晋一 中山智孝 松裏裕行 佐地
勉
同佐倉病院 澤井 清 |
| 過去5年間でガンマグロブリン(IVIG)開始後に無菌性髄膜炎を発症した4例(川崎病患者225例中1.8%)の臨床像を検討した。年齢は6ヶ月から7歳で男2例、女2例であった。使用製剤はスルホ化3例、PEG処理1例であった。投与方法は1g/kg/12時間が2例、2g/kg/24時間が1例、500mg/kg/2時間が1例であった。IVIG開始後16-36時間で発症した。年少児は発熱・不機嫌、年長児では発熱・頭痛・嘔吐を呈し、診察上髄膜刺激症状を認めた。髄液検査では細胞数85-5832/μLで多核球優位2例、単核球優位2例で、全例細菌培養は陰性であった。3例は無治療にて、1例はステロイドパルス療法後症状改善した。いずれも発症後1日以内で回復し後遺症は認めなかった。IVIG開始後に発熱・頭痛・嘔吐が出現した場合、無菌性髄膜炎に注意すべきである。
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川崎病患児におけるS. mitis由来ヒト血小板凝集因子(Sm-hPAF)に対する抗体の検討
メデカジャパン総合研 大国壽士
日本医大微生物免疫 留目優子
徳島大工学部生物工学 長宗秀明
日本医大小児科 小川俊一 深澤隆治 |
【目的】昨年の本研究会において、川病患児から分離したS. mitis,
Nm65株の培養上清から得たSm-hPAFのゲノム解析から、Sm-hPAFはStreptolysin-OやPneumolysinなどと相同性が高く、系統発生の上で、同じpore-forming
cytolysinに属することを報告した。今回は組み替え体Sm-hPAF(recombinant Sm-hPAF,rSm-hPAF)を抗原として、川病患児血漿中の抗rSm-hPAF抗体につき検討したので、その結果を報告する。
【方法】川病急性期患児ならびに対照群(他の熱性疾患)の血漿が使用された。抗体はELISA法により測定した。
rSm-hPAF抗原はmaicroplateの各wellに100 ng をcoatし、ヒト血漿は1:50ないしは1:100に希釈され、その100
µlが各wellに加えられた。二次抗体としてperoxidase標識ヤギ-抗ヒトIgG抗体(Cappel)を用い、基質添加後、ODは405
nmで測定した。
【結果並びに考察】急性期川病患児でのODは0.954±0.278、対照群では0.672±0.239であった。抗体価は川病患児でやや高い傾向を示し、両者でのODは約0.3の差が認められた。なお、先に報告した如く、rSm-hPAFの塩基配列は他の溶血毒と相同性が高いことから、これら溶血毒との交差反応性も考慮しなければならず、さらに詳細な検討が必要となろう。 |
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