川崎病冠動脈病変における心電図非同期心臓3次元CT画像の有用性
京都府立医科大学大学院医学研究科発達循環病態学
  梶山 葉 小林奈歩 則武加奈恵 加藤竜一 藤本一途 浅妻右子 奥村保子
  田中敏克 白石 公 糸井利幸 浜岡建城
【背景】小児科領域では心臓3次元CTを用いて冠動脈病変を評価することの有用性が確立されていない。
【目的】小児の冠動脈病変に対する心電図非同期3次元CT画像の有用性とその限界について検討した。
【対象】川崎病罹患後、冠動脈病変を有することが疑われた児で同時期に心臓カテーテル検査を施行した児2名
【方法】16列MDCTを用い心電図非同期にて撮像し3次元構築を行い、カテーテル検査所見と比較検討した。
【結果】心拍110/分の児においては大きな画像のブレもなく冠動脈病変を描出しえた。冠動脈内径はカテーテル検査と比して0.4-1.2mmの差で計測しえた。
【考察】成人領域では冠動脈病変に対しsensitibity、 specificityともに高く評価が確立しているがβblocker併用などの小児では行いにくい手技も用いている。心電図非同期3次元CTで小児の冠動脈病変の評価が行える年齢、心拍数など症例の検討が必要である。
2方法のMagnetic Resonance Coronary Amgiography による川崎病冠動脈狭窄性病変の評価
東京逓信病院小児科 稲葉利佳子 鈴木淳子
東京逓信病院放射線科 武村 濃
日赤医療センター小児科 薗部友良 土屋恵司
東京逓信病院放射線科 大室正巳 是永建雄
【目的】川崎病冠動脈病変をbalanced-TFE法(T法)と血管内の性状が描出可能なBlack-blood法(B法)で評価した。
【方法、対象】Gyroscan Intera 1.5T Master R9(Philips社製)を用い、川崎病既往の109例(7ヶ月〜33歳)を心電図同期、呼吸同期、非造影で撮像した。
【結果】閉塞瘤はT法で5ヵ所中4ヵ所が異常な高信号として、B法では全例が血流のない高信号として、その瘤の全形状が描出された。局所性狭窄(16ヵ所)の描出率はT法で94%、B法で81%、特異度は各98%、99%であった。再疎通血管はT法で側副血行路が描出され、B法では瘤内の血栓、内膜肥厚が24ヵ所に認められた。またB法ではバイパス術後(7例)画像でクリップなどのアーチファクトが回避された。
【結論】T法とB法を併用することにより多様な病変の情報を得ることが可能であった。
MR Coronary Angiography のWhole heart imagingによる川崎病冠動脈病変描出の有用性
東京逓信病院放射線科 武村 濃 大室正巳 是永建雄
東京逓信病院小児科 鈴木淳子 稲葉利佳子
日赤医療センター小児科 薗部友良 土屋恵司
フィリップスメディカルシステムズ株式会社 小原 真 坂元哲郎
【目的】川崎病例に対して、新しいスキャンポジショニングであるWhole heartimaging(WHI)を行い冠動脈画像の改善を求めた。
【方法】心臓全体をカバーするためAxialスキャンを行い、冠動脈描出を行う。使用装置はフィリップス社製Gyroscan Intera 1.5Tを用い、TR/TE ;4.6/2.3 ms, Slice th : 0.75mm, total slice : 150-170 , scan time :15 minの設定で、心電図同期、呼吸同期併用、3D balanced TFEにより非造影で冠動脈描出を行った。WHIの対象症例は川崎病冠動脈障害の31例(7ヶ月齢から26歳10ヶ月の中間値15.7歳)で、対照の3point planテクニック(従来の撮像法)は29例である。
【結果】WHIは心臓全体をスキャンすることで、再構成法により多方向、多断面で冠動脈観察が可能となった。また従来法と起支部の描出率においては有意差は無いが、末梢血管の冠動脈描出率が有意に向上した。
川崎病の頭部血管病変の検討‐MRAを用いて‐
九州大学小児科
  宗内 淳 大野拓郎 金谷能明 古野憲司 池田和幸 吉良龍太郎 楠原浩一 原 寿郎
九州大学放射線科 三原 太
【目的】川崎病患者における頭部血管病変について,MRIおよびMRAを用い前方視的検討を行った。
【方法】1998年から2003年において冠動脈病変を合併した川崎病患者23人(男18人;女5人)を対象とし,発症より0.1‐21.2年後に頭部MRIおよびMRAを行った。川崎病発症年齢は中央値1.2歳(0.2‐14.3歳)であった。明らかな神経学的所見として1例に髄膜刺激症状を認めた。
【結果】ガンマグロブリン不応で左冠動脈瘤(最大径7mm)を合併した4歳男児例に対して,21病日に頭部MRIおよびMRAを行い,右小脳半球梗塞とそれに一致して右後下小脳動脈途絶の所見があった。他の22例では川崎病に関連した血管病変は認められなかった。
【考察】冠動脈病変合併症例では全身血管病変のひとつとして頭部血管病変の評価も必要と考えられ,MRIおよびMRAが有用と考えた。