川崎病による多枝病変に対してハイブリッド治療を施行した1例
久留米大学 菅原洋子 江上公康 家村素史 前野泰樹 松石豊次郎
北里大学 石井正浩
福岡市成人病センター循環器 上野高史
福岡大学医学部心臓血管外科 田代 忠 |
| 川崎病による冠動脈狭窄病変に対するカテーテル治療(PCI)は、現在広く行われており、その有効性・長期予後は確立されている。最近では小切開による冠動脈バイパス術(CABG)も行われるようになってきた。しかし、多枝病変に対しては、各々限界がある。多枝病変を有する17歳女児に対し、PCIと小切開によるCABGを合わせたハイブリッド治療を施行した。症例は2歳時に川崎病に罹患し、巨大冠動脈瘤を合併。15歳時に、運動負荷心電図にて10Metsの負荷時に虚血性変化を認めた。心臓カテーテル検査にて、右冠動脈と左前下行枝の両方に99%の重度狭窄病変を認めた。右冠動脈病変に対してロータブレーター治療を行い、狭窄を解除し、4カ月後の造影で再狭窄を認めなかった。そこで左前下行枝病変に対し、小切開によるCABGを施行した。PCIと小切開によるCABGを組み合わせたハイブリッド治療にて、低侵襲かつ美容的にも良い治療が可能であった。
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川崎病による冠動脈局所性狭窄に対してローターブレーターが有効であった年少児例
国立循環器病センター小児科 竹川剛史 津田悦子 黒嵜健一 越後茂之
国立循環器病センター心臓内科 宮崎俊一
札幌医科大学小児科 富田 英 布施茂登 高室基樹
天理よろづ相談所病院小児科 須田憲治 松村正彦 |
【症例1】5歳男。3か月時に川崎病(KD)に罹患し、5歳時に右冠動脈(RCA)
の石灰化を伴う90%局所性狭窄(LS)と診断された。初回1.25mm、次に1.75mmのBurrを使用し、RCA LSに対してロータブレーター(PTCRA)を施行した。狭窄率は8%に改善した。施行直後心電図で、II、III、aVFのST低下、房室解離となったが、15分で回復した。
【症例2】6歳男。8か月時にKDに罹患し、5歳時にRCA セグメント狭窄 (SS)、左前下行枝(LAD)
SS、左回旋枝閉塞、左主幹部(LMT) 90%LSがみられた。右内胸動脈―LAD、左内胸動脈(LITA)―対角枝への冠動脈バイパス術を施行したが、LITAは閉塞した。
6歳時にLMTLSに対して1.5mmのburrでPTCRAを施行し、1.2mmまで拡大が得られた。
【考察】Burrサイズは限られるが、年少児の石灰化を伴うLSに対してもPTCRAは有効である。
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川崎病の高度石灰化を伴う冠動脈狭窄を認めた2症例に対するPTCRA
北里大学医学部小児科
木村純人 広田浜夫 堀口泰典 中畑弥生 藤野宣之 武田信裕 小川夏子 石井正浩 |
【目的】川崎病の高度石灰化を伴う冠動脈狭窄を認めた2症例に対してPTCRAを施行し良好な成績を示したので報告する。
【症例1】35歳男性。3歳時に川崎病に罹患し、30歳時労作時、入眠中に胸痛が出現。冠動脈造影(CAG)にてLAD(Seg.6)
99%狭窄、IVUSにて全周石灰化を認めPTCRAが施行された。その結果、狭窄は50%に改善したが6ヵ月後のCAGにて再び90%狭窄を認めた。再度PTCRAを施行し狭窄は50%まで改善。6ヶ月後のCAGでは再狭窄所見はなく、以後4年経過するが経過良好である。
【症例2】24歳男性。3歳時に川崎病に罹患し、18歳時のCAGにてLAD(Seg.6)
95%狭窄、IVUSにて全周石灰化所見を認めた。PTCRAを施行し、その結果狭窄は50%まで改善。6ヶ月後のCAGでも変化はなく、5年経過するが経過良好である。症例2はジピリダモール負荷よる経胸壁ドップラーエコー(LAD末梢部)をPTCRA前後で施行し冠動脈予備能の評価を行った。その結果PTCRA前後で予備能は1.1から2.2へ増加した。 【考察】川崎病後の石灰化病変を伴う高度狭窄を有した2症例に対してPTCRAを施行し良好な結果を得た。PTCRA前後の効果判定にエコーによる冠動脈予備能の評価が有用であった。 |
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