川崎病における末梢血CD14陽性単球/マクロファージのFcγ受容体発現に対する免疫グロブリン療法(IVIG)の影響
山口大学医学部小児科 市山高志 金子美保 松原知代 古川 漸
【目的】IVIGの作用機序を解明するためにCD14陽性単球/マクロファージの免疫グロブリン受容体FcγR発現に対するIVIGの影響を検討した。
【方法】川崎病患児の末梢血CD14陽性単球/マクロファージにおけるFcγRであるFcγRIIb(CD32b)およびFcγRIII(CD16)の発現をIVIG前後でフローサイトメトリーを用いて測定した。
【結果】FcγRIII発現はIVIG前に有意に増加しており、IVIG後すみやかに正常化した。またIVIG後のFcγRIIb発現増加は認められなかった。
【考察】川崎病におけるIVIGの作用に関してはinhibitory receptor(FcγRIIb)の発現増加はみられず、activation receptor(FcγRIII)の発現低下であることが示唆された。IVIGのFcγR発現に関するin vitroの成績も合わせて報告する。
川崎病類似動脈炎モデルにおけるヒト免疫グロブリンの治療効果の検討
東邦大学医学部付属大橋病院病院病理学講座 大原関利章 高橋 啓 直江史郎
東京薬科大学薬学部免疫学教室 三浦典子 大野尚仁
国立感染症研究所生物活性物質部 大川原明子 村山 研 鈴木和男
日本製薬研究本部 土田和徳 金城義明 金子健二
 川崎病類似マウス動脈炎モデルを用いてヒトIVIG製剤による動脈炎抑制効果を検討した。
【材料・方法】カンジダ由来多糖画分 (CAWS)を起炎物質とし、常法に従い動脈炎を惹起した。治療薬はヒトIVIG製剤を使用し、以下の実験群 (n=各10)を設定した。単回大量治療群:接種初日に2000mg/kgを単回静注、初期治療群:CAWS接種初日より400mg/kgを5日間静注、中期治療群:CAWS接種3日より400mg/kgを5日間静注、後期治療群:CAWS連続接種終了後翌日より、400mg/kgを5日間静注。対照群には、CAWS接種初日から5日間、生理食塩水(8mL/kg)を静注。CAWS接種終了後、28日で屠殺、動脈炎の有無を検索した。
【結果・要約】中期治療群でのみ汎血管炎の割合が低下し、内膜炎+外膜炎の割合が増加していた。同群では、IVIG療法により汎血管炎への進展が抑制されたものと考えられた。