IVIG不応例の一例
独立行政法人国立病院機構呉医療センター
  堀川洋子 小西央郎 唐川修平 隅 誠司 西村 裕 村木幸太郎 田中丈夫
上田小児科 上田晴雄
あかね会土谷総合病院 大崎 秀 脇 千明
 IVIGおよび急性ガイドラインに掲げられているウリナスタチン投与を行ったにもかかわらず巨大瘤を合併した症例を報告する。患者は1歳、男児。第3病日入院。CRP 7.0 mg/dl、WBC 25800/μl、ALT 607 IU/l、AST 286 IU/l、Hct 33.6%。第5病日のCRP 14.9 mg/dlと上昇、冠動脈径はseg 1が2.2 mm、seg 5が2.4 mm。第5、6病日にIVIG 1g/kg/日投与するが解熱傾向見られず。そこで川崎病急性期治療ガイドラインのIVIG不応例に対する治療手段を参照し、第8、9、10病日にウリナスタチン単独療法を行った。しかし発熱持続し、第10病日にseg 2に5,2mm,seg 5に4,2mmの冠動脈瘤を認め、CRP 18.4 mg/dlと再上昇したため、第10病日にIVIG 2g/kg/日追加投与。解熱に至らず、第16病日のIVIG 2g/kg/日の追加で解熱した。第17病日のエコーではseg 2に10.2mm, seg 5に10.3mmの巨大瘤を残した。IVIG不応例に対する治療法に関して検討する。
シクロスポリンAが奏効したガンマグロブリン不応川崎病の3例
獨協医科大学病院小児科 白岩妙子  平尾準一 西倉 潔 坪井龍生 江口光興 有阪 治
【目的】ガンマグロブリン大量療法(IVIG)不応でシクロスポリンA(CsA)が有効であった3症例を経験した。これらの臨床効果とCsA血中濃度の関連を検討した。
【症例】症例1:4ヵ月男児。IVIG6g/kg、プレドニン2mg/kgでも軽快せずCsAを投与し、2日後に解熱した。症例2:1歳女児。IVIG6mg/kgで解熱せずCsAを投与したところ翌日に解熱した。症例3:1歳女児。IVIG5g/kgに反応せずCsAを投与した。しかし5日経過しても解熱せずCsAを増量したところ、その2日後に解熱した。CsA血中濃度は80ng/mlを目標とした。
【結果】症例1、2では目標血中濃度で速やかに効果が得られた。症例3はこの血中濃度では効果なく、150ng/mlで効果が得られた。
【考察】CsA有効血中濃度は個人差が認められるが、有効血中濃度を維持することにより川崎病の急性期反応は速やかに終息することが示唆された。
冠動脈拡張を来たしたIVIG抵抗性川崎病の治療―フルルビプロフェン静注の経験
札幌医科大学 早田 航 高室基樹 堀田智仙 富田 英 堤 裕幸
市立室蘭総合病院 畠山欣也
【症例】3歳男児。
【経過】川崎病主要症状5/6で第4病日IVIG 2g/kgを投与。48時間後反応なくIVIG 1g/kg追加直後にアナフィラキシーを起し、回復後DICを併発した。更なるIVIG追加は危険と判断し、ウリナスタチン10000単位にメチルプレドニソロン30mg/kgを3日間併用し解熱した。第10病日より両側冠動脈が拡張した。同日よりフルルビプロフェン3mg/kg/日をイレウス症状のため静注したが12病日に再燃し4mg/kgに増量した。発熱、CRPとも徐々に改善し、第22病日に解熱した。冠動脈造影で両側冠動脈および総腸骨動脈に動脈瘤を確認した。
【考案】IVIG抵抗性でショック既往の場合、パルス療法が選択肢となるが冠動脈拡張が見られたため追加できなかった。本例で用いたフルルビプロフェン静注が経過を修飾したか否かは不明である。こうした症例の治療は議論があり、集積が必要であると考え報告する。