花粉惹起(誘導)疾患のいくつもの存在を実証する研究の着手の急務−川崎病のtriggerは、花粉であろうという知見を出発点として−川崎病の疫学的研究2
2004年春先の全国のスギやヒノキの花粉飛散数は例年より遥かに少なく、一方、初夏以降高温の続いた各都道府県の他の花粉の飛散数と2004年の川崎病発症数は、毎月どう推移したか。
(独)科学技術振興機構 粟屋 昭
京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野 山崎暁子 白川太郎
東邦大学薬学部 佐橋紀男 |
著者らは、2003年本研究会で川崎病のtriggerは花粉であろうという知見を報告した。即ち、自治医大公衆衛生学・川崎病研究班疫学調査事務局が、1970年より集積した川崎病発症数dataと1975年より、各地で観測されるようになったスギやヒノキの花粉飛散数dataを経年的に比較することにより、従来から指摘されてきた川崎病の78〜79年に始まる3度の大規模発生が、実は日本におけるスギ花粉の大量飛散の始まりと、期を一にするものであることを垣間見ることができた。全国川崎病発症総数は87年以降、発症の第4のpeakは現れなかったものの、87〜88年の5200人台を底にして、統計のある2002年まで増加の一途であるが、今回、各都道府県別の川崎病発症数と、観測地点の花粉飛散数とを比較検討し、県によっては、花粉大量飛散の年と一致した第4の明確なpeakがあったかどうか、また、本年の花粉飛散数動向が、川崎病のcurrentな発生にどのような影響を与えているのか等を検討した。川崎病の原因確定のためには、各都道府県ごとに以前の毎週ごとの定点観測態勢が必須と考える。
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出生年別川崎病累積罹患率
福井県河野村診療所 自治医科大学公衆衛生学 河合邦夫
自治医科大学公衆衛生学 屋代真弓 中村好一
埼玉県立大学 柳川 洋 |
【目的】川崎病患児を出生年別に追跡し、累積罹患率が年ごとにどのように変化し、流行の有無などによる生まれた年の違いがいかに影響するのかを明らかにする。
【方法】第17回までの川崎病の全国調査より得た初診患者数を、出生年別に(1977〜1993年)、0〜9歳までの10年間について1年毎に積算し、出生数10万人対で累積罹患率を表示した。10歳時での累積を最終累積罹患率とした。
【結果】最終累積罹患率は出生年1980,1981年と1984,1985年頃でピークをもつ2峰性の上昇を見せ、1986年以降は徐々に毎年上昇するカーブを示し、1993年生まれでは515.2(194人に1人)となった。この上昇のピークを年罹患率と比較すると、1歳時の年罹患率の変動と一致する傾向があり、年齢別罹患率が1〜2歳にピークがくるという以前の報告から類推されるものと一致した。男女別では男性が常に女性より高く、地域別では1980,1981年生まれの北陸と1984,1985年の北海道が高く、沖縄は常に低値であった。
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川崎病全国調査初期と最近の主要症状出現状況の比較
自治医大公衆衛生 大木いずみ 屋代真弓 上原里程 中村好一
日赤医療センター 薗部友良
埼玉県立大 萱場一則 柳川 洋 |
【目的】1971年調査と2003年調査の主要症状出現状況を比較し、川崎病報告直後と現在の病像の変化、診断・治療方法の影響を明らかにする。
【方法】主要症状の調査項目を性年齢別頻度、初診時、退院時病日で比較した。
【結果】1971年標本1,023人、2003年全数16,952人を解析した結果、性比はそれぞれ1.64、1.35で、1971年患者は高年齢に偏っており早期受診者が少なかった。退院病日のピークは、1971年では第19-24病日、2003年では第13-15病日であった。5日以上続く発熱ありの割合は、両年共に88%、眼球結膜の充血1971年80%、2003年93%、口唇、口腔所見94%と89%、不定形発疹87%と88%、四肢末端の変化93%と82%、頸部リンパ節腫脹68%と69%であった。有熱期間は1997年で第8病日中心の幅広い分布に対し、2003年は第6病日中心に集中した。
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第17回川崎病全国調査における川崎病容疑例および主要症状数4項目以下の例(広義不全型例)の冠動脈障害の研究
日赤医療センター小児科 薗部友良 土屋恵司 今井庸子 稲毛章郎 今田義夫 麻生誠二郎
京都第2赤十字病院小児科 清沢伸幸
自治医大公衆衛生 屋代真弓 中村好一
埼玉県立大学 柳川 洋 |
【目的】第17回川崎病全国調査成績を用いて、川崎病容疑例および広義不全型例の冠動脈障害(CAL)の実態を明らかにする。
【方法】16,810例を対象に、主治医のつけた診断群別の容疑例や広義不全型例の発生頻度、CAL出現頻度など、また主要症状数別のCAL出現頻度などを明らかにする。
【結果】CAL出現頻度は主要症状数4項目以下の例の方が5項目以上の例よりも高かった。また主要症状数が減るほどCAL出現頻度が増していた。総てのCAL症例のうち、14%は4主要症状症例、5%は3主要症状以下症例であり、合計19%は4主要症状以下の広義不全型から発生していた。
【考察】この解析の主な限界は、広義不全型でCALがない場合に全国調査に報告されない例が存在することである。しかしCAL症例の19%は広義不全型から発生しており、主要症状数が少ないことは軽症を意味するものではないことが今回も確認された。 |
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