最近10年間の全国調査に基づく不全型の死亡例に関する検討
日本大学医学部小児科
鮎沢 衛 今井由生 阿部 修 宮下理夫 谷口和夫 金丸 浩 唐澤賢祐 住友直方 原田研介
自治医科大学保健科学 中村好一
埼玉県立大学 柳川 洋 |
【目的】不全型の診療において重症例や死亡例の報告も見られ、その分析は重要と思われる。
【方法】第13〜17回全国調査に報告された死亡44例中、診断が確実Bあるいは容疑例とされた各4、6例を対象とし、確実A群34例との死亡原因、年齢、経過を比較検討する。
【結果】確実B例で記載された死因は、心筋炎、再々発時心不全、多臓器不全、SIDS各1例、容疑例で記載された死因は、急性脳症2例、心筋炎、大動脈弁狭窄および閉鎖不全、溺水、SIDS各1例であった。心筋梗塞は全例確実Aとされていた。年齢および病日比較(不全型群:確実A群)では、初診病日3.9:4.0、初診時月齢14.8:16.4、死亡病日74:146(p=0.047)、死亡時月齢14.6:21.0、IVIG開始病日4.0:4.9であった。不全型群の容疑例6例中4例はIVIGが行われなかった。
【考察】不全型で死亡した例は診断確実例よりも死亡病日が早かった。 |
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日米の川崎病診断基準の比較-第17回全国調査成績を用いて
久留米大学小児科 牟田広実 江上公康 菅原洋子 家村素史 松石豊次郎
北里大学小児科 石井正浩
自治医科大学公衆衛生学 中村好一 |
【目的】第17回全国調査成績を用いて、日米の診断基準を比較すること。
【方法】第17回全国調査で報告された16,952例を、川崎病診断の手引き第5版とAHAの診断基準に当てはめ、比較検討した。診断基準を満たさなかった症例を、不全例と定義した。
【結果】報告患者のうち、86%が第5版、72%がAHAの診断基準を満たしていた。AHAの診断基準を満たした症例と不全例では、心血管障害の合併率に差は見られなかった(16%
vs. 17%, p=0.2)。一方、第5版では、診断基準を満たした症例の方が有意に心血管障害を合併していた(18% vs.
7%,p<0.001)。各診断基準の心血管障害合併に対する感度は、日本94%, AHA 71%であった。
【考察】診断の手引き第5版では診断されるが、AHAの診断基準では不全例となる症例が約14%にみられるため、注意が必要と考えられた。また、診断の手引き第5版は、AHAの診断基準と比較して、心血管障害合併に対する感度が高かった。
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川崎病患者に対するガンマグロブリン治療の変遷 −第13回〜17回全国調査成績より−
自治医大公衆衛生 屋代真弓 上原里程 大木いずみ 中村好一
埼玉県立大 萱場一則 柳川 洋
日赤医療センター 薗部友良
日本川崎病研究センター 川崎富作 |
【目的】ガンマグロブリン(GG)治療の変遷、その意義を明らかにする。
【方法】最近5回の川崎病全国調査資料を用いて、1993-2002年の10年間に川崎病患者が受けたGG投与者の割合、治療方式の推移、施設の規模によるGG投与方式の特徴を観察した。
【結果】GG投与を受けた者は平均85%を占め、年次変化はほとんど見られなかった。GG総投与量が1000mg/kgの者は10年間に半減し、2000mg/kgの者は約3.7倍に増加した。投与方式では、1000mg/kg×2日、2000mg/kg×1日などの短期間内の大量投与が急増した。基本的なGG投与方式を決めている施設は2002年には58%で、短期間の大量投与方式が主流を占めた。
【考察】GG治療の効果に関する多くの研究は、国内、国外を含めて短期間大量療法の有効性を支持するものであり、その結果、過去10年間に短期大量療法を受ける患者が増えた。さらに、GG治療普及の動きと並行して心後遺症出現率の低下が見られ、患者の予後改善にも影響を与えていると考えられた。 |
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全国調査に基づく川崎病急性期治療方針
自治医科大学公衆衛生学 上原里程 大木いずみ 屋代真弓 中村好一
埼玉県立大学 柳川 洋 |
【目的】第17回全国調査結果を用いて、川崎病急性期治療に関する医療施設の方針を明らかにする。
【方法】第17回全国調査に回答のあった1642施設のうち、患者報告があった1052施設(64%)を対象とし、アスピリン投与量、IG投与方針およびIG不応例への対応を患者数別に分析した。
【結果】アスピリン投与量は30mg/kg/日が73%であった。IG投与方針を決めている843施設のうち患者数10人以上の施設では、1000mg/kg2日投与および2000mg/kg1回投与を選択する割合が大きかった。IG不応例への対応は、IG投与方針のある施設のうち44%がIG追加のみ、18%がIG追加とウリナスタチン、5%がIG追加とステロイドを選択していた。患者数別には、IG追加とウリナスタチン、IG追加とステロイドを選択する割合に有意な差があった。
【考察】川崎病急性期の治療方針は医療施設規模によって違いがあった。 |
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