川崎病急性期治療におけるガンマグロブリン製剤の適正な使用法について
医療法人今心会理事 田邉 昇
  川崎病の急性期治療における大量ガンマグロブリン療法は1983年に古庄らが報告して以降、確立した治療法となっています。ガンマグロブリンの用量用法についてさまざまな議論があり、日本においてはスルホ化製剤が1990年に200mg/kgを5日間適宜増量するということで社会保険診療において始めて承認されました。米国では1991年にNewbergerらが2g/kgの一回投与の方が有効と報告し、2g/kgの一回投与が治療の主流となっている。わが国では用量増大の声が高まり、ようやくとして昨年になって2g/kgの一回投与も承認されるようになりました。欧米諸国では川崎病において大量ガンマグロブリン療法を行わずに冠動脈瘤を形成した場合、訴訟に発展することがあります。日本小児循環器学会からも川崎病治療のガイドラインも出されましたが、用量用法についてはまだまだ議論の余地が残されており、その使用に際しては十分な検討が必要です。今回はガンマグロブリン製剤の適正な使用法について法律の面からコメントを頂きたく田邉先生にご講演をお願いいたしました。田邉先生は名古屋大学卒業後、内科で研修を受けた後、厚生省(現在の厚生労働省)に入省し、家庭の事情で退職された後、医院を開業しながら弁護士資格を取得され、現在、医師として弁護士として活躍されていることから、今回、講師としてお招きいたしました。
川崎病の治療や管理において起こりうる問題点として
 (1) ガイドラインに示された治療法にどこまで従わなければならないか。
すなわち、どこまで治療法の選択性が許されるか。
 (2) 用量が少なく、冠動脈瘤ができた場合その用量について
過去の事例についてどこまで問題となるのか。昨年から超大量療法が承認されたが、それ以前の症例に対してはどうなるのか。
 (3) 副作用の出現について、現在のところあまり問題となる合併症や副作用の報告はないが、もし、今後未知なウイルスの発見を含め、異常がでてきた場合どうなるのか。
 (4) 不幸にして冠動脈瘤ができ、心筋梗塞などを起こした場合、その管理の仕方について、手術の選択など。アスピリン内服に伴うアスピリンとライ症候群との関係などさまざまな問題点をあげることができます。
 以上の点について、医師、弁護士、厚生省技官としての立場からコメントしていただくことになっています。講演会では質問時間を多く設けますので、会員の方々で質問や聞きたいことがあれば事前に研究会事務局まで報告していただけるとより適切な回答がいただけます。会員の皆様方におきまして、司法上気にかかる点があればぜひ利用していただけることを願っています。