川崎病急性期に高度の腎および腎血管障害を合併した3例
久留米大学医学部小児科
石井治佳 須田憲治 籠手田雄介 岸本慎太郎 工藤嘉公 伊藤晋一 菅原洋子 家村素史 松石豊次郎 |
【目的】川崎病急性期に合併した高度の腎および腎血管障害の臨床像について検討する。 【方法】対象は,当科の川崎病データベース上、腎および腎血管合併症を認め、カルテの記載の確認できた3例。後方視的に臨床症状、経過、予後について検討した。 【結果】症例1:3ヶ月発症、男児、IVGG(-)。蛋白尿+血尿あり、経過中一過性のネフローゼ症候群を呈した。両冠動脈瘤、腹部大動脈瘤合併した。その後、経過フォロー中転居。症例2:3ヶ月、男児、診断遅延例、IVGG 5g/kg。肉眼的血尿+蛋白尿を認めた。腎不全やネフローゼには至らなかったが、両冠動脈瘤を残した。症例3:5ヶ月、男児、IVGG 3g/kg。心血管造影で、両側冠動脈瘤、両側上腕動脈,両側腸骨動脈、両側腎動脈に瘤を認め、経過中腎動脈の狭窄が出現したが、発症1.5年後にほぼ正常化した。症例2,3は発症1年、12年後の現在、腎障害は特に認めていない。 【考察】川崎病急性期に稀に認められる高度の血尿あるいは蛋白尿は、腎臓を含む、全身の血管炎が高度であることを示す。しかし、これらは一過性であり、腎後遺症を残すことはあまりない。
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川崎病に急性糸球体腎炎を合併した1例
| 日本大学医学部附属板橋病院 遠藤あゆみ 平野幹人 阿部 修 宮下理夫 谷口和夫 鮎沢 衛 住友直方 原田研介
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【はじめに】川崎病に急性糸球体腎炎を合併した1例を経験したので報告する。 【症例】7歳の男児。入院3日前から発熱、頸部リンパ節腫脹、2日前から四肢の発疹、当日から両側眼球結膜の充血を認めた。川崎病の診断の手引き5項目を満たし第4病日からガンマグロブリン大量療法を開始した。第7病日には心エコー検査上、右冠動脈の拡張を認めた。また回復期には手指の膜様落屑も確認した。しかし、一方で入院時から肉眼的血尿、蛋白尿、乏尿、浮腫、高血圧を認め、血液検査上ASOの高度上昇、補体の低下が見られた。溶連菌感染後の急性糸球体腎炎の合併を考え安静、食事療法、水分制限、降圧剤投与を行なった。 【まとめ】川崎病の病因は未だに明らかではなく様々な説が存在する。一説では川崎病と溶連菌感染の関連性が指摘されている。しかし、実際に川崎病と糸球体腎炎の合併した症例は我々が検索し得た限り非常に稀であり、文献的考察を加え報告する。 |
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病初期に高度な肝機能異常を認めた3歳男児川崎病の1例
| 東邦大学医学部第二小児科 山口佳世 二瓶浩一 那須野聖人 岸田勝 青木継稔 四宮範明 |
【症例】3歳4か月男児。入院の2日前から発熱し、同日近医を受診したところ頚部のリンパ節腫脹を指摘され抗生剤が処方された。翌日も解熱せず、嘔吐が始まった。同日夕刻には吐物に血液が混ざるようになり、入院当日には更に嘔吐が頻回となったため来院した。外来受診時、左頚部のリンパ節は腫脹しており軽度の脱水所見を認めたが他に特記すべき症状なし。WBC 6,800/μl、CRP 6.9mg/dl、AST 3,180IU/l、ALT 1,653 IU/lの高度の肝機能異常が認められた。腹部エコーにて胆嚢は腫大していた。抗生剤を投与し経過観察したところ発熱5日目に川崎病の診断に至り、IVGG1g/kgの2回投与にて第8病日に解熱し、以降順調に経過した。冠動脈病変は認めなかった。 【考察】川崎病の病初期経過中に肝機能異常をしばしば経験する。しかしASTやALTが共に1,000IU/Lを超すような高度の肝機能異常は比較的稀である。このような症例の経過について、文献的考察を加え報告する。
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アスピリン投与による問題事象が考えられた川崎病の2例
鹿児島市医師会病院 亀之園 明 荒田道子 益田君教
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児発達機能病態学 丸山慎介 江口太助 野村裕一 吉永正夫 河野嘉文
済生会川内病院 山元公恵
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アスピリン投与によると考えられる発熱・発疹がみられ投与中止した川崎病の2例を経験したので報告する。 【症例1】11か月男児。アスピリン,IVGGで解熱した。14病日から発疹,16病日から発熱がみられたためアスピリンを中止した。その後解熱し発疹消失した。25病日アスピリン再投与したところ2時間後から発熱、全身の紅斑出現しアスピリン中止し,その後の経過は良好だった。 【症例2】1歳男児。IVGG等で解熱後9病日からアスピリン投与した。24病日に発疹みられ翌日から発熱したため27病日アスピリン中止した。肝不全みられステロイド、血漿交換等の加療を行ったが肝不全進行し57病日に生体部分肝移植を施行したが、70病日に死亡した。 【結語】問題事象は2例とも発疹・発熱をきたしたが炎症所見は悪化せず,川崎病再燃との鑑別は可能だった。アスピリンの問題事象があることの認識は重要と考えられた。 |
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十二指腸潰瘍により出血性ショックに陥った急性期川崎病の乳児例
群馬県立小児医療センター循環器科 鈴木尊裕 下山伸哉 金井貴志 小林富男
群馬県立小児医療センター外科 鈴木 信
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| 消化器症状を呈する川崎病(KD)の報告は少なくないが,十二指腸潰瘍(DU)を併発した急性期KDの報告は稀である.今回我々はDUにより出血性ショックに陥った急性期KDの乳児例を経験したので報告する. 症例は9ヶ月の男児.第2病日に発疹と発熱を主訴に前医入院となった.第3病日にKDと診断し治療を開始された.アスピリンを1回内服後の第4病日に大量の吐血を認め当センターに搬送入院となった.入院時のHbは6.4g/dlで出血性ショックに陥っており,集中治療を行い改善した.内視鏡検査にてDUと診断した.PPI,IVIG,predonisolone等による治療を行い,第10病日よりアスピリンを開始した.経過中冠動脈の輝度亢進を認めたが冠動脈病変は認めず,退院前の内視鏡検査でUDの改善と生検におけるH.pyloriの陰性を確認した. 非常に稀な症例と思われたので報告する. |
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