けいれん重積を主訴に入院した川崎病の1例
| 防衛医科大学校小児科 川村陽一 浅野 優 石渡隆寛 中川紀子 畠中大輔 野々山恵章 |
| 川崎病急性期における熱性けいれんの合併は極めてまれとされている。我々はけいれん重積にて入院し、その後川崎病の主要症状が出現した乳児例を経験したので報告する。症例は6カ月の男児。発熱2日目に両上肢の間代性けいれんが約50分間持続し、入院した。血液検査では炎症反応の高値と肝機能障害を認めたが、胸部単純写真、頭部CTおよび髄液検査では異常所見を認めなかった。3病日に発熱以外の川崎病の主要症状およびBCG接種部位の発赤が出現したため、フロベン内服とミラクリッド静注を開始し、5病日に免疫グロブリン2g/kgの静注を施行した結果、6病日以降は解熱した。経過中新たなけいれんの出現はなく、肝機能障害も経過観察のみで軽快し、14病日に退院した。心エコー検査では心嚢液の貯留や冠動脈の拡大性病変は認めず、脳波検査でも異常を認めなかった。頻度は少ないが、乳児期の有熱性けいれんの原因として川崎病も鑑別診断に含める必要がある。 |
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感音性難聴を合併した川崎病の一例
| 広島市立安佐市民病院小児科 荒新 修 |
| 症例は3歳男児である。第2病日に発熱、右頚部リンパ節腫脹のため、紹介入院となった。頚部リンパ節炎と考えセフトリアキソン静注を続けたが、その後も発熱は続いた。第4病日に、両側眼球結膜の充血、口唇の紅潮、掌蹠の紅斑、背部と両膝に小紅斑を認め、5症状が揃ったため川崎病と診断した。診断後、免疫グロブリン2g/kg/dose点滴静注、抗血栓療法としてアスピリン50mg/kg/day内服開始し、第8病日以後、解熱軽快していた。第10病日に難聴に家族が気づき、当院耳鼻咽喉科で滲出性中耳炎と診断した。しかし第15病日、滲出性中耳炎が治っても難聴が続くため、聴性脳幹反応を行い、両側感音性難聴と診断した。聴力は、発病1カ月ころより回復に向かい、発病7カ月では検査上ほぼ聴力は回復している。尚、冠動脈病変は、経過中みられなかった。難聴を合併する川崎病の報告は稀である。文献的考察も含め報告する。 |
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発熱を認めず、冠動脈瘤を形成した主要症状3/6の川崎病不全型の1例
関西医大付属男山病院小児科 中村彰利 崔 信明 端里 香
関西医大付属洛西ニュータウン病院小児科 荻野廣太郎
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【症例】9か月の男児。4人兄弟の第4子。第1・3子に川崎病の既往がある。
【経過】平成17年2月、不定形発疹と眼球結膜充血を主訴に第2病日受診。BCG接種痕の発赤を認めたが発熱はなかった。WBC 12,000、Ht 37.6、 pl 33.1万、CRP 5.30、 ESR 32/64、Alb 3.9。第4病日も他の主要症状を認めない。WBC 14,300、Ht 32.7、Alb 3.3と改善なく入院とする。川崎病不全型としてアスピリン開始。第5病日の心エコーでは問題なかったが、第12病日LM〜LADにかけて4.0mmの冠動脈瘤を認め、同日2.0g/kgのγグロブリン治療を施行。第17病日、落屑を認めた。冠動脈瘤はその後進行することなく退縮、発症後3か月には正常化した。
【考察】全経過中発熱なく、冠動脈瘤を形成した不全型川崎病を経験した。EBMが言われて久しいが、「でも川崎病と思うんや」という感覚を大切にしたいと思わせた症例だった。
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発熱と頚部リンパ節腫脹で発症した川崎病患児の特徴
独立行政法人国立病院機構指宿病院 荒田道子
鹿児島市医師会病院 柳 貞光 今村真理 益田君教 鮫島幸二
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児発達機能病態学分野 江口太助 野村裕一 河野嘉文
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【目的】リンパ節腫脹が前面となり他の症状に乏しい川崎病児は、診断の遅れから心後遺症(CAL)を残す例がみられる。発熱とリンパ節腫脹のみで入院した例(KDL)の特徴について検討した。
【方法】鹿児島市医師会病院小児科に入院したKDL 14例とそれ以外の川崎病児(KDN)155例の比較検討を行った。
【結果および考察】KDLは年齢が高く(KDL 6.7歳、KDN 2.1歳、p<0.0001)で、入院病日が早く(KDL 2.9日、KDN 4.2日、p=0.0011)、WBC、CRPが有意に高値だった。両群のIVIG開始日は同じだったが、KDL群で追加投与が有意に多かった。CAL頻度には差がなかった。年長児川崎病はCALリスクが高いと報告されているが、KD群の年長児16例に限った検討でも同様の結果だったことから、今回の2群間の差には年齢以外の要因の関与が考えられた。KDLはKDNより重症だが、注意深い経過観察で治療開始を遅らせないことがCAL頻度の増加をきたさないためには重要と考えられた。 |
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