川崎病冠動脈壁の超音波組織性状の検討:Integrated Backscatterを用いて
|
日本大学小児科 阿部 修 唐澤賢祐 平野幹人 宮下理夫 谷口和夫 山菅正郎 鮎沢 衛 住友直方 原田研介
|
【目的】川崎病冠動脈壁の輝度変化を超音波組織性状診断法による超音波後方散乱信号(Integrated Backscatter:IB)を用いて定量的評価が可能であり、直接的に川崎病冠動脈病変の早期診断および重症度判定に有用な診断法になる可能性がある。今回川崎病以外の疾患の冠動脈壁についてIBによる測定を行い、川崎病冠動脈壁と比較検討を行った。 【方法】対象は非川崎病群:2か月から8歳の10例、川崎病群:ガンマグロブリン投与(IVIG)を行った2か月から4歳4か月の25例である。冠動脈壁のIB(IBCA)および主肺動脈内のIB(IBPA)を計測し、corrected IB(IBCA-IBPA)を求めた。初回IVIG前後および30病日以降の回復期に測定を行った。 【結果・考察】川崎病冠動脈壁のcorrected IBは非川崎病群より高値であり、冠動脈壁組織性状の変化を反映することが示唆された。初回IVIG前後のcorrected IBは治療効果による差があり、川崎病急性期におけるIVIGの治療効果および冠動脈拡張が推定できる可能性がある。 |
|
|
川崎病患児におけるStreptococcus mitis由来ヒト血小板凝集因子(Sm-hPAF)に対する抗体の検討
メデカジャパン ラボラトリー 大国壽士
日本医大微生物免疫 留目優子
鹿児島大医小児科 野村裕一
国立成育研究センター 阿部 淳
九州循環器センター 吉永正夫
|
| 前回の本研究会においてStreptococcus mitis (S. mitis)、Nm65株の産生するS. mitis由来ヒト血小板凝集因子(Sm-hPAF)の組み換え体、rSm-hPAFを抗原として川崎病(KD)患児血清の抗rSm-hPAF抗体の測定につき報告したが、今回は症例数を増すと共にN-末端186から205残基(20aa)を合成し、抗合成ペプチド抗体も測定もされた。抗体はELISA法(OD405nm)で測定した。抗rSm-hPAF抗体はKD急性期患児では0.883±0.358、対照群(他の熱性疾患)では0.535±0.19(p<0.01)を示し、明らかに両者間で有意差を認めた。また、抗合成ペプチド抗体もKD患児で高く、両者間で有意差(p<0.05)が認められた。本因子がKDの病因として働いているかは明らかではないが、本抗体の測定はKDの初期における診断の上で参考になるかも知れない。現在、IgGサブクラスでの抗体が検討されている(共同研究者:徳島大 長宗秀明、メデカ 大塚広樹)。 |
|
|
川崎病急性期の血管炎発症に関与する因子の検討
|
岡崎市民病院 瀧本洋一 中田智彦 安井正宏 後藤研誠 中山 淳 鈴木基正 加藤 徹 近藤 勝 長井典子 早川文雄
|
【目的】川崎病の血管炎発症への関与が示唆されているsICAM-1,MCP-1, GCSFの川崎病急性期での動態、各種検査値・症状との関連を検討する。 【方法】対象は2004年5月〜2005年4月の間に川崎病の診断で入院した患児26例。冠動脈一過性拡張:1例。全例にアスピリン内服とIVIG初回2g/kgの投与を行い、IVIG前後で各種検査値を測定し、比較検討した。
【結果】sICAM-1、GCSF、MCP-1はいずれもAST、ALT、LDHと良好な相関を示したが、白血球数やCRPとは関連した動きを認めなかった。6症状が揃った群ではGCSF、MCP-1が高く、またBCG発赤(+)群ではMCP-1が、高熱群ではGCSFが高値を示した。
【考察】sICAM-1、GCSF、MCP-1はWBC・CRP等の一般炎症で指標となる検査値からの予測は難く、AST、LDHなど組織ダメージを示す検査値との関連が深かった。但し、冠動脈瘤症例がなく、今回検討の3因子の高値(組織ダメージ)=冠動脈リスク?については今後の検討課題と思われた。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
 |