当院における川崎病冠動脈バイパス術の長期予後
久留米大学小児科 家村素史 岸本慎太郎 籠手田雄介 伊藤晋一 工藤嘉公 江上公康 菅原洋子 姫野和家子 前野泰樹 須田憲治 松石豊次郎
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【目的】当院における冠動脈バイパスの開存率、手術時年齢との関係、長期予後を検討すること。 【方法・対象】当院にて経過観察中の川崎病患児17例(男:女=15:2、手術時年齢中央値11.5歳: 3.4〜44.6歳)に施行された計34本(内静脈グラフト2本)のグラフト。平均フォローアップ期間は中央値4.9年(1.0〜18.3年)であった。 【結果】術後1年でバイパスの狭窄を認め、再手術を行った症例を1例認めたが、全体の開存率は94% (32/34)と良好で、遠隔期死亡例はなかった。また6歳以下で施行した4例(男:女=3:1)では開存率は87% (7/8)で、6歳以上の13例の開存率96% (25/26)に比べ低値であった。 【結語】当院での冠動脈バイパスの開存率はおおむね良好であるが、手術時年齢により開存率に差があり、バイパス閉塞のリスク要因であると考えられた。 |
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冠動脈バイパス術時に同時に施行した冠動脈縫縮術前後の冠血行動態の評価
日本医科大学小児科 鈴木伸子 勝部康弘 深沢隆治 上砂光裕 池上 英 渡邉美紀 初鹿野美春 小川俊一
日本医科大学第二外科 山内仁紫 落 雅美
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【目的】冠動脈バイパス術時に同時に施行した冠動脈縫縮術前後の冠動脈血行動態の評価を行った。 【方法】対象は、両側ないしは片側に巨大冠動脈瘤を有し、心筋虚血を合併したために、冠動脈バイパス術を施行、その際にバイパス血管以外の巨大冠動脈瘤に対し、縫縮術を施行した6例。男児3例、女児3例、手術時年齢は4歳から18歳、川崎病発症より1年8ヶ月から17年が経過。術前は全例Warfarinを服薬。全例に冠動脈造影、IVUSを施行し、冠動脈の形態、血栓の有無等を検討した。さらに、pressure wire(PressureWire, Radi Medical Sysytem)による冠動脈内圧、flow wire(FloWire XT, Cardiometrics Inc.)による平均最大流速(APV)および血流パターン、冠血流予備能(CFR)を縫縮術前後にて測定、算出した。 【結果】発症より、10年以上経過した2例では縫縮部位の石灰化が強く、充分な縫縮術は出来なかった。一方、他の4例は発症時よりの経過が短く、石灰化は顕著ではなく、十分な縫縮が可能であった。術前は全例に壁在血栓が認められたが、術後は消失した。冠動脈内圧は縫縮術前後において有意な差異は認められなかった。冠動脈血流速度は全例15m/sec以下であり、血流パターンは乱流で、CFRも1.5以下であった。十分な縫縮術が可能であった4例の術後のAPVは全例15cm/sec以上、血流パターンは拍動流で、CFRも2.0以上と良好であった。また、4例とも術数ヶ月後にはWarfarinを中止することが可能であった。 【考察】十分な縫縮術が可能であった場合、術後の冠血行動態は優位に改善し、血栓形成は認められず、Warfarinからも脱却可能である。対象冠動脈に石灰化が顕著でなければ、縫縮術も有用な選択肢と考える。 |
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巨大冠動脈瘤を有す川崎病患者の長期予後
久留米大学医学部小児科 須田憲治 籠手田雄介 岸本慎太郎 工藤嘉公 伊藤晋一 江上公康 牟田広実 菅原洋子 家村素史 加藤裕久 松石豊次郎
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【目的】巨大冠動脈瘤を来たした川崎病患者の長期予後を明らかにする。
【方法】対象は、1980年以後巨大冠動脈瘤を来たした58例(男40、女18)である。診療録から患者属性とともに治療歴を調査した。臨床的な心筋梗塞に加え、カテーテル治療と外科治療を心事故として、生存曲線、cardiac event free curveを作成した。
【結果】罹患時の平均年齢2.7±0.4歳、観察期間12年(0-24年)。冠動脈瘤は右冠動脈のみ17例、左冠動脈のみ13例、両側冠動脈28例。5例が、それぞれ発症後0、10、12、12、13年で死亡し、1例は発症後22年で心臓移植を受けた。生存率は1年:98%、5年:98%、10年:96%、15年:86%、20年:86%であった。一方、Cardiac event free rateはそれぞれ1年後:78%、5年後:69% 、10年後:58%、15年後:39%、20年後:39%であった。実際、27例(47%)の患者に、合計43回のカテーテル治療あるいは外科手術(範囲1-7回、中央値1回)が、発症後0-23年(中央値0年)で施行された。カテーテル治療としては、ICT 13例20回、POBA 4例5回、rotablator 3例3回、stent 3例3回、外科治療はCABGが12例であった。
【考察】巨大冠動脈瘤を有す川崎病患者の20年予後は概ね良好である。しかし、この良好な予後を維持するため、約半数の患者に、多種類のカテーテル治療と外科治療が必要である。 |
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