「川崎病急性期カード」についてのアンケート調査結果
関西医科大学附属男山病院小児科 荻野廣太郎
東京女子医科大学東医療センタースポーツ健康医学センター 浅井利夫
あいち小児保健医療総合センター 長嶋正實
日本医科大学小児科 小川俊一
日本赤十字社医療センター小児科 今田義夫
日本大学医学部小児科(日本川崎病研究会運営委員長) 原田研介 |
【目的】日本川崎病研究会「川崎病カード」小委員会は、2001年から川崎病急性期の正確な医療情報を全国統一書式のカードに記載し、その情報を生涯にわたって伝えることを目的として検討を重ねた。その結果、2003年春に「川崎病急性期カード」が完成し、各医療施設に配布されてきた。完成後3年を経過し、このカードがどのように利用されているかを知る目的で、日本川崎病研究会会員を対象にハガキによるアンケート調査を行なった。
【対象および方法】本会会員611名のうち、自宅住所のみ記載の12名と企業会員8名を除外した591名を対象にアンケートを送付した。調査項目は(1)カードの認知状況、(2)カードの利用状況、(3)カードが利用される症例の範囲、(4)このカード以外の情報提供の有無、(5)今後の利用希望、である。
【結果】該当者なしで返送された6名を除く585名中201名から回答を得た(回答率34.4%)。(1)カードの認知状況:よく知っている161名80%、あったような気がする17名9%、知らなかった22名11%。(2)カードの利用状況:利用している95名47%、たまに利用する45名22%、利用していない55名27%。(3)カードが利用される症例の範囲(カードを利用またはたまに利用140名対象):最近の症例のみ53名38%、過去の症例も含めて60名43%、患者からの希望時26名19%。(4)このカード以外の情報提供の有無(カードを利用してしない55名対象):独自の医療情報提供20名36%、医療情報提供せず16名29%、川崎病患児の治療・管理をせず18名33%。(5)今後の利用希望(カードを知らなかった22名を対象):今後利用してみたい16名73%。
【考案】本会の会員を対象としたアンケート調査でも回答率は34.4%と低く、関心の低さが垣間見えた。しかし本カードをよく知っていると回答した161名中138名(86%)が積極的に利用しており、本カードが一定の役割を担っていることが明らかとなった。 |
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小学1年生における川崎病急性期カードの普及状況
大阪市立総合医療センター小児循環器科 川崎有希
大阪市立総合医療センター 村上洋介 鈴木嗣敏 江原英治
大阪府医師会学校医部会心臓疾患対策委員会 篠原徹 横山達郎 |
【背景】川崎病急性期カードは2003年に導入されたが、その普及率は不明である。
【目的】川崎病急性期カードの普及状況を検討すること。
【対象・方法】2005年度と2006年度に大阪市立小学校に入学した小学1年生41,687名を対象に調査票により、急性期の所見、後遺症、川崎病急性期カードの配布の有無等を調査した。
【結果】川崎病既往児は345名(0.83%)で、343名から回答を得た(回収率99%)。発症年齢は0.2〜6.7歳(中央値2.0歳)。急性期に異常を指摘されたのは39名(11.4%)で、冠動脈拡大16
名、冠動脈瘤6名、弁膜病変1名、その他7名、不明9名。小学1年生時に心後遺症を残していたものは6名(1.7%)あった。川崎病急性期カードが配布されていたのは45例(13.1%)で、発症年度別にみた配布率は、2003年以前の発症264名中32名(12.1%)、2003年発症29名中6名(20.7%)、2004年発症28名中5名(17.9%)、2005年発症18名中2名(11.1%)、2006年発症4名中0名(0%)で、2003年以降、経年的に低下傾向を示していた。2003年以降の発症例全体では79名中13名(16.5%)であった。急性期に異常を指摘された39例に対する配布は8例(20.5%)で、うち2003年以降の発症例では7名中2名(28.6%)であった。
【まとめ】川崎病既往児343名に対する川崎病急性期カード配布率は13.1%で、2003年以降発症例でも79名中13名(16.5%)であった。発症年度別配布率は2003年の20.7%をピークに低下傾向にあった。 |
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川崎病に罹患した16歳以上の本人対象のアンケート調査報告
| 川崎病の子供をもつ親の会 橋爪功明 浅井満 |
【目的】川崎病が発表されてから40余年。成人に達している人は5万人以上といわれています。そうした中、冠動脈障害を残しているにもかかわらず、怠薬・ドロップアウトしている例があり、結果、不幸な結末を迎えている例もあります。『川崎病の子供をもつ親の会』の会員の子供さんは現在、どのような状況下にあるのか、実態調査を目的に、第25回総会記念事業の一つとして「16歳以上の本人を対象にアンケート調査」を実施しました。
【方法】対象は『親の会』会員で2006年3月31日現在、満16歳以上の本人583人。回収数314人(回収率53.8%)。質問項目としては性・年齢・職業・罹患時期・結婚・子供の有無・入院中の後遺症の有無とその内容・現在の後遺症の有無とその内容・服薬の指示の有無とその実態・受診した検査内容・最近の検査受診の実態・学校と病院でのいやな思いの経験の有無とその内容・バイパス手術・カテーテル治療実施の有無。そして最後に自由記入欄を設定しました。
【結果】対象が『親の会』の会員の子供であり、ある意味川崎病と積極的に向き合っている親の子供という条件があるものの、入院中の後遺症有は176人で無より多く(56%)で、巨大瘤は28人(8.9%)、現在の後遺症有は99人(31.5%)で、入院中の巨大瘤28人中、狭窄性病変に移行したのは7人(25%)。服薬の指示、検査の指示には概ね従っていましたが、検査を全く受けていない中には巨大瘤1人、狭窄・閉塞が2人いました。バイパス手術・カテーテル治療経験者の合計は40人(12.7%)もあり、その後方視的観察も試みました。
【考察】罹患した本人の認識を基礎に実施した実態調査であり、病態の医学的正確さに欠ける要素はありますが、川崎病冠動脈障害の病態の変化を再認識し、今後もフォローの重要性を強く訴えていきたいと思います。最後に記述内容の一部をご紹介します。先生方にも罹患した本人の声に耳を傾けていただけましたら幸いです。
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血清IgG値からみた川崎病急性期経過の再検討
| 東邦大学医療センター大橋病院 山口佳世 二瓶浩一 中村浩章 道海秀則 中里純子 藤原順子 池田周子 細野稔彦 岸田勝 四宮範明 |
【目的】川崎病において標準的な治療法である経静脈免疫グロブリン療法(IVIG)前後における血清IgG値の上昇程度が、その後の経過とどのように関連するか検討すること。
【方法】川崎病急性期患者でIVIGが行われた110名。治療前血清IgG値、および治療終了後6時間以内の血清IgG値から血清IgG上昇率(IRG)を算出し検討した。IRGの算出法は「実際の上昇量(mg/dl)×体重(kg)×0.75/IVIG総投与量(mg)」。な
お当科のIVIGは1g/kgを約12時間かけて行っている。
【結果および考察】対象症例中、冠動脈後遺症は3例であった。初回IVIG後のIRGは96.8%、45例で追加投与がなされ1回目の追加投与でIRGは87.9%、2回目では67.7%(10例)であり低下する傾向がみられた。しかし同一症例について検討したところ、3群間に有意差は認めなかった。私達は予後不良の指標をIRG
70%以下と考えているが、今回19例で70%以下となり、そのうちの3例で冠動脈後遺症を合併した。以上のことから血清IgG値の上昇不良は予後の予測に有効であった。 |
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