川崎病冠動脈病変に対するカテーテル治療の遠隔期予後:多施設による検討
久留米大学小児科 牟田広実 家村素史 須田憲治 松石豊次郎
日本医科大学小児科 小川俊一
日本大学小児科 鮎沢衛
久留米大学第3内科 池田久雄
北里大学小児科 木村純人 中畑弥生 石井正浩 |
【目的】川崎病冠動脈病変に対するカテーテル治療(PCI)の遠隔期予後を調査すること。
【方法】久留米大学、久留米大学医療センター、日本医科大学、日本大学、北里大学の5施設において、冠動脈狭窄病変に対しPCIを施行した49症例、55病変(右冠動脈:24病変、左冠動脈:31病変)[経皮的バルーン血管拡張術(PBA)
22病変、ロータブレーター (PTCRA)22病変、ステント留置 7病変、PTCRA+ステント 4病変]について追跡調査を行った。再狭窄・閉塞は冠動脈造影(CAG)上75%以上の狭窄を認めるか、負荷心筋シンチにおいて虚血性病変を認めた場合と定義した。
【結果】追跡期間の中央値は6.3年、施行時年齢は14.5歳、体重は47kg、罹患からPCI施行までの期間は12.1年であった。PBA群では、他のデバイス群と比較し罹患からPCI施行までの期間が有意に短かった(中央値2.2年)
。PCI施行後、52病変(95%)にCAG上50%以上の開存が得られた。開存がみられなかった3病変はすべてPBAで、罹患後12-21年経過した症例であった。うち2例はPTCRAを施行し開存が得られた。術中・後の合併症として5例に新生動脈瘤、3例に一過性徐脈、1例に心房細動がみられた。経過観察中、再狭窄・閉塞が10病変(19%)にみられた。これらの症例に対し、再PCI
3例、冠動脈バイパス術 4例、心移植 1例がおこなわれていた。再狭窄・閉塞をきたした症例では、チクロピジン(8% vs.
46%)、ワーファリン(23% vs. 38%)の使用頻度が有意に少なかった。各デバイス間で開存率に有意差はみられなかった(Log
rank test. p=0.3)。
【考案】川崎病冠動脈病変に対するPCIの長期成績はおおむね良好であった。今後も症例を積み重ね、最適なデバイスの選択基準および施行後の投薬内容を含むフォローアップ体制を確立する必要がある。 |
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急性期川崎病へのガンマグロブリン超大量単回投与の市販後使用成績調査(PMS)成績
−4社合同中間報告−
日本小児科学会薬事委員、東邦大学医療センター大森病院 佐地勉
東邦大学医療センター大森病院 高月晋一
厚労省「松田班」小児循環器分担研究委員(滋賀医科大学) 中川雅生
日本川崎病研究会会長(日本大学) 原田研介 |
平成15.7より、急性期川崎病(KD)に対する静注用ガンマグロブリン製剤(IVIG)
の超大量単回療法が承認された。第25回研究会で市販後使用成績調査(PMS)成績を報告したが、今回中間報告を報告する。
【方法】5社(帝人−化血研、日薬、三菱ウエルファーマ-ベネシス、バイエル)から、既に解析が終了し厚労省へ提出されたPMS結果(H15.8.1からH17.7.31までの集計症例)を基にした。
【対象】収集症例数:5187、安全性評価対象症例:初回治療例:4613、追加治療例753、有効性解析対象症例:初回治療例:4663、追加治療例:735、投与目的;初回治療:4055(84.4%)、追加治療78、初回+追加治療:675例。男:女:2796(58.1%)、2011、年齢分布:1歳未満:1164(24.4%)、1-3歳未満:2150、3歳以上:1495、初発:4634例、再発:174、治療開始病日:4日以内:1271、5病日:1722、6病日:949、>7病日:847例。1回投与量:2g/kg:3116例(65.4%)、1g/kg、1521、
【結果】合併症:ある:1326(27.6%)、なし:3410、有害事象;312、件数447、重篤な有害事象:54例、59件。有害事象(件数):掻痒感・発疹62、肝機能障害53、低体温31、無菌性髄膜炎12、末梢冷感10、蒼白10、ショック9、低血圧9、チアノーゼ9、GOT上昇9、GPT上昇8、溶血性貧血4、心不全3、心拍数増加2、アミラーゼ増加2、血小板減少2、その他207。
有効性 初回治療時無効率12.5%(513/4097例)、追加治療時無効率16.5%(105/646例) 最終評価:無効 3.85%(161/4178例)であった。
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山梨川崎病プロトコールに基づく川崎病急性期治療に対する検討
山梨大学医学部小児科 喜瀬広亮 中澤眞平
山梨川崎病研究グループ 杉山央 永井敬二 清水隆 稲見育大 小林浩司 小林基章 星合美奈子 勝又庸行 |
【目的】川崎病急性期の治療指針の確立および合併症の減少を目的として、2000年1月から現在まで、山梨県内の基幹病院を中心に山梨川崎病プロトコールを作成し川崎病急性期治療を行ってきた。この6年間の治療方法とその成績を考察し、さらに本プロトコールの課題および今後の方向性について検討した。
【方法】2000年1月から川崎病急性期治療に対しプロトコールを作成し、1年毎に治療成績、検査データを集計しプロトコールを更新した。山梨大学小児科と山梨県内10ヶ所の基幹病院が参加し、川崎病と診断され両親の同意を得られた症例全例に同一治療を施行した。同時に臨床検体保存に同意が得られれば、治療前後の血清、血漿を保存した。多施設共同研究として、山梨大学倫理委員会に承認を得た。毎年微細な変更はあったが主にγグロブリン投与量(IVIG)が変更された2003年6月を境として、それまでの症例をA群(初回IVIG
1g/kg投与)、以降の症例をB群(同2g/kg投与)として検討した。
【結果】A群115例、B群95例、計210例で、発症月齢、男女比、治療前CRP値・Alb値等は特に差がなかった。IVIG追加投与を要した率はA群15.6%、B群10.8%でA群が有意に高かった。またIVIG不応例はA群で5例、B群で1例であった。また急性期一過性拡張を含む冠動脈病変の出現は、A群14.8%、B群12.6%とB群の方が低かった。巨大冠動脈瘤の合併はどちらもA群3例、B群1例であった。
【考察】初回IVIG 2g/kgの方が、有熱期間、冠動脈瘤合併とも減少させることが示唆された。本研究の問題として重症例のためプロトコールから外れた症例が数例あり、このような症例の取り込みが課題と考えられた。また、IVIG不応例に対する治療方針および巨大冠動脈瘤発生予防の検討が必要と考えられた。さらに同時に得られた臨床検体から重症例の予測因子を明らかにし、治療に反映させることも目指すべきと考えられた。
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川崎病急性期治療に関する検討
−多施設共同研究−
静岡済生会総合病院小児科 村田浩章
静岡県立こども病院感染免疫アレルギー科 木村光明 |
| 川崎病急性期治療としてガンマグロブリン大量療法(IVIG)は、有効性の確立した治療法である。今までの報告、我々の予備研究より、IVIG
2g/kgの2回投与までは効果が期待出来、安全に行えることがほぼ明らかである。しかし、IVIG不応例に対する治療についてコンセンサスは得られていない。我々は、IVIG2回投与で改善しない症例(IVIG不応例)の第3ステップの治療選択肢として、IVIG3回目投与、PSL投与、血漿交換、を用意し、それぞれの治療法の有効性、IVIG不応例の臨床像を明らかにするため、県内の主要な医療機関11施設が参加した多施設共同・前方視的研究を行っている。2005年4月から2006年6月までの1年3ヶ月で症例数は106例、初回IVIG有効率は76%、2回目IVIG有効率は48%(2回の累積IVIG有効率88%)であった。IVIG
2回投与で改善しない13症例(12%)に対し、第3ステップ目の治療を施行した。3ステップ目としてIVIG 3回目を2例に施行し有効率0%、ステロイド投与施行が9例で有効率78%、血漿交換施行が2例で有効率100%であった。第3ステップで改善しない4例に対し、ステロイド施行が1例で有効率100%、血漿交換施行が3例で有効率67%であった(4ステップの累積有効率
99%)。第3ステップ以降の方法別の有効率はIVIG 追加0%(0/2)、ステロイド80%(8/10)、血漿交換80%(4/5)であった。冠動脈病変(CAL)は一過性を6例(5.7%)、持続性を4例(3.8%)に認めた。(1)IVIG後の血清IgG値<2200、(2)IVIG後のCRP値>15、(3)IVIG後のWBC上昇、でスコアリング化すると、2点以上の場合、CALなし 1/96 (1%)、一過性CAL 0/6 (0%)、持続性CAL 4/4 (100%)であった。 |
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