川崎病冠動脈障害に対する
MR造影心筋イメージと冠動脈イメージの有用性
東京逓信病院放射線科 武村濃 是永建雄
東京逓信病院小児科 鈴木淳子 北爪勉 稲葉利佳子
日本赤十字社医療センター小児科 薗部友良 土屋恵司
東京医科歯科大学医学部付属病院小児科 土井庄三郎 |
【目的】MRIにて川崎病冠動脈障害例の心筋虚血、梗塞心筋病変部位、心筋壁運動および冠動脈描出検査の有用性を検討した。
【使用装置・使用シーケンス】使用装置はPHILIPS社製GYROSCAN INTERA
1.5Tであり、使用シーケンスは負荷と安静時心筋造影のPerfusion MRI、Cine MRI、遅延造影MRI、Whole
Heart coronary Image(WHI)、Black Blood image(BB法)である。全てのシーケンスには心電図同期を併用し、WHI、BB法以外は呼吸停止下撮像を行った。乳幼児は睡眠下で行うため呼吸同期法を併用した。Perfusion
MRIはATP(0.16 ml/kg/min)を静注負荷し、造影剤Gd-DTPA(0.1 ml/kg)投与(4ml/sec)することで組織血流分布評価を行った。
【対象】2005年8月から2006年7月までの川崎病22例(4歳0ヶ月〜35歳7ヶ月:中央値17歳4ヶ月)に行った。
【結果】22例中15例(68%)にPerfusion MRIで心筋虚血部位、13例(59%)に遅延造影で心内膜下梗塞:心筋横断面の進達度25%〜75%以上を認めた。RI心筋シンチを同時期に行った9例のうち3例においてRI心筋シンチでは把握できない内膜下梗塞がMRIで描出された。また同時にCine
MRIによる心筋壁運動異常が6例(27%)に観察され、WHIによる冠動脈障害と心筋造影所見における虚血所見や梗塞との関連が把握できた。またBB法の併用で血管内血栓や内膜肥厚とそれらの冠動脈の責任領域における心筋所見の関連性も把握できた。
【考察】MRIを用いる事で心筋の虚血・梗塞・壁運動と冠動脈形状のすべての情報を1度に把握することが可能であり、高空間分解能と高コントラスト分解能で精度の高い心筋病変の診断が可能であった。
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MRIによる川崎病ACバイパス術後例の
経過観察の有用性について
東京逓信病院小児科 北爪勉 鈴木淳子 勝又庸行 稲葉利佳子
東京逓信病院放射線科 武村濃 是永建雄
日本赤十字社医療センター小児科 薗部友良 土屋恵司
日本医科大学付属病院小児科 小川俊一 |
【目的】川崎病冠動脈障害のACバイパス術後の経過観察に非侵襲的であるMRAと、MR心筋画像の有用性を検討した。
【対象】対象対象は、川崎病の15例(検査時年齢は5歳から27歳:中央値17歳)で、バイパスグラフトは26本:LITA(15)、RITA(8)、SVG(2)、rtGEA(1)であった。
【方法】装置はPhilips社製のGyroscan intera 1.5Tで、非造影で血流を白色に描出するBalanced
steady-state free precession法と、血流を黒色に描出するblack blood Turbo Spine
Echo(BB)法の2方法を併用し、冠動脈とバイパスグラフトの描出を行なった。MRAは(1)バイパスの描出、(2)吻合部の描出、(3)吻合部より末梢血流の描出の3点について検討した。心筋画像は、造影剤《Gd-DTPA(0.1mg/kg)》を用い、ATP負荷Perfusion
MRIとDelayed enhance MRIにより、心筋虚血と梗塞を評価した。また壁運動の評価にCine MRIを用いた。MR心筋造影は4例に施行し、うち2例は、術前に心筋バイアビリティの評価がされ、術前と術後の再検査で心機能が比較された。
【結果】(1)は、X線冠動脈造影に基き、鋭敏度96%、特異度67%、陽性予測値96%、陰性予測値67%であった。(2)の描出率は86%、(3)は100%で血流の評価が可能であった。BB法は体内の胸骨接合部ワイヤーや止血クリップによる金属アーテイファクトが少なかった。MR心筋造影で、ラジオアイソトープでは確認できない心内下梗塞を確認することができ、梗塞巣を3次元的に評価できた。術前後で、心機能の回復を確認することができた。
【考察】MRAとMR心筋画像を一度の検査で行うことにより、ACバイパス術前後の経過観察に有用であることを示した
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64列MDCTによる川崎病遠隔期冠動脈病変の診断
西神戸医療センター 深谷隆
兵庫県予防医学協会 馬場國藏 |
【背景】川崎病罹患後遠隔期の年長例では、心エコー検査による冠動脈病変の診断は必ずしも容易ではない。このため、非侵襲的に冠動脈病変を診断する方法の確立が求められている。
【目的】本研究は64列同時撮影マルチスライスCT(MDCT)の川崎病遠隔期例での冠動脈病変診断における有用性について検討することを目的としている。
【方法】東芝製64列MDCTを用いて、造影剤はイオパミロン370を用いた。
【対象】対象は川崎病遠隔期8例で、年齢は平均18歳6ヶ月、川崎病罹患後平均15年7ヶ月であった。冠動脈瘤10病変、局所性狭窄3病変、セグメント狭窄4病変であった。
【結果】拡大性病変はいずれも明瞭に描出できた。冠動脈瘤の径は、造影検査と比較できた8病変では相関係数0.95と良好な結果であった。局所性狭窄3病変では、造影上2.0〜2.4mmの径がCT上1.5〜3.7mmであった。放射線被曝は73.2から111.5ミリグレイであった。
【考察】64列MDCTの利点としては体軸方向の分解能が向上し、短時間に3次元データを得られることがあげられる。VR(Volume
rendering)表示や、冠動脈の長軸、短軸での表示、狭窄率曲線での狭窄率算出などで、冠動脈病変を詳細に検討することが可能であり、拡大性病変や石灰化の評価には優れた方法である。問題点としては、まず放射線被曝があげられる。また、造影剤を使用するため副作用に注意が必要である。画質に影響する要因としては、解析する心時相の選択や心拍変動のほか、高度の石灰化によって病変の診断が困難な場合がみられた。このほか、造影の良否や体動による断面のズレも結果に影響し、今回の8例中2例では明瞭な画像を得ることが困難であった。
【結語】64列MDCTは川崎病遠隔期冠動脈病変の診断に有用であると考えられた。 |
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PWV速度勾配からみた川崎病既往例の動脈硬化進展性
| 日本大学医学部小児科 能登信孝 岡田知雄 吉野弥生 唐沢賢祐 鮎沢衛 住友直方 原田研介 |
【目的】圧トランスジューサーを用いて任意の2点間のPWVを計測できるCompliorRを使用し、川崎病既往例の中枢〜末梢動脈PWVを健常例と比較する。
【方法】冠動脈障害のない川崎病既往10例(10-16歳(KD群)) と、年齢、性をマッチさせた健常10例(C群)を対象に、同一例の中枢型動脈PWV(頚動脈-大腿動脈(CF-PWV))、中間型動脈PWV(頚動脈-上腕動脈(CB-PWV))および末梢型動脈PWV(上腕-橈骨動脈(BR-PWV))を計測し両群で比較した。
【結果】安静時血圧及びエコー上で計測した上腕動脈径に両群で差はなかった。KD群とC群のPWVは中枢より末梢動脈に行くに従い高値をとる速度勾配が存在し、CF-PWVは5.2±0.9m/s、3.6±1.6m/s
(p=0.10)、BR-PWVは10.5±7.1m/s、9.7±2.1m/s (p=0.85)とKD群で若干高値をとったが、有意差はなかった。一方、CB-PWVは7.8±2.2m/s、4.3±2.4m/s
(p<0.05)と有意にKD群で高値をとった。さらにCB-PWV/BR-PWV比は0.99±0.47、0.45±0.27と有意
(p<0.05)にKD群で高値をとり、KD群ではPWV速度勾配が減少していた。
【結論】川崎病既往例のPWVの増大と同一例でのPWV速度勾配の減少は、血管構造変化と病変局在を表し、動脈硬化の初期病変である可能性が示唆された。
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